全国で増加する空家。もし親が亡くなり、実家が空き家に。自分たちも持ち家があるため住む予定はない……。こんなときはどうすべきか?
「これまでは“建物を壊して更地にしたら、固定資産税が6倍という理由から、とりあえず空き家のまま放置するケースが多かった。しかし、5月から『空き家対策特別措置法』が施行されたことで状況は変わりました」(不動産コンサルタントの長嶋修さん)
管理の行き届かない“特定空き家”と指定されれば、自治体から修繕や解体が命令される。場合によっては強制的に解体される可能性も。放置という選択はもはや許されない。
「空き家をめぐる選択肢は3つ。売るか、貸すか、管理するかです」(長嶋さん)
思い入れのある親の家を残せて、家賃収入が見込める“貸す”という選択肢がベストに思えるが。
「貸すとなると、住んでいたときのままというわけにはいきません。リフォームすれば、費用は、内装だけでも、だいたい300万円ほどかかります。賃料で回収するには何年かかるか計算してみてください」(長嶋さん)
また別のリスクもある。
「家賃滞納のトラブルが代表的。そのトラブルの法的対応は、大家自身がやらなくてはなりません」(長嶋さん)
どうしても貸したいなら、貸す際に契約期間を定めた“定期借家契約”がオススメだそう。そのほかに家を残す方法としては、管理会社に巡回してもらうという手もある。
「その場合、月に3000円〜1万円くらいかかりますので、住む予定がないなら、すぐにでも売却することをオススメします。というのも、今後、地価は都心を除いて年2%くらいずつ下がり続けることが予測されているからです」(長嶋さん)
空き家を少しでも有利な価格で売るには、不動産業者選びも大事。その見極めポイントは?
「駅前で目立っている業者、ネットで地元物件を多く扱っている業者など2~3社に査定を頼み、信頼できる業者を選ぶといいですよ」(長嶋さん)