20151013mynumberhonbun (29)

 経済好調動向といわれながら収入アップにつながらず、家計は苦しくなるばかり。消費税増税や円安による相次ぐ食品の値上げが家計を圧迫。今年7月、厚生労働省が発表した『平成26年版 国民生活基礎調査』では、児童のいる世帯の生活意識調査で67・4%が「苦しい」と答えている。

 夫の年収ダウン、リストラ、さらには離婚などで思うように学費が貯められなくて、いざ子どもの進学となり学費の調達にあえぐ主婦が続出。どうしたらいい? そこで、家計再生コンサルタントの横山光昭さんに、学費貯蓄対策を聞いてみた。

「大学まで進学すると、学校に支払う学費だけで、子ども1人につき1000万円といわれています。学費は子どもが生まれた時から、計画的に貯めることが理想ですが、貯められなかった人は賢い借り入れで卒業を目指す方法をお話ししましょう」

気軽に解約できない金融商品で貯めるのがコツ

「学費は計画が立てやすい支出です。1日でも早く貯蓄を始めるのが月々の負担額を少なくするコツです」(以下、横山さん)

 子ども1人にかかる学費の半分以上は大学。18歳までに500万円貯めるのが目標。

「せめて300万円は貯蓄をしておきましょう。理想は子どもが生まれた時から月々決まった金額を貯める方法。ただし、幼稚園に通う、住宅ローン頭金を払うなど学費貯蓄が困難な時期はムリをすることはありません」

 学費にお金がかからない小中学校の貯めどきにガッツリ貯めておくのがコツ。

「貯め方は途中で解約しにくく、元本割れしないタイプの金融商品を利用するのがいいでしょう。気軽に解約できるタイプだと子どもが18歳になる前にほかのことに使ってしまう可能性があるからです。貯蓄型の学資保険もいいですが、来年から始まる“ジュニアNISA”もオススメです」

手軽に貯めるコツ「手当や補助金を学費貯蓄に回そう!」

「児童手当をそのまま学費貯蓄に回せば、あれこれ節約して家計から捻出することなく貯めることができます」

 所得制限があるが、0~3歳未満は月々15000円、3歳以上から中学生まで月々10000円支給されるので、目標金額300万円の場合、児童手当である程度まかなえる。

「従来型の幼稚園では補助金制度があるのでそれを活用しましょう。補助金の金額は所得や自治体により異なります」

 今年4月から子ども・子育て支援制度が実施され、自己負担額が変わったところもあるそう。

「こちらも自治体によりますが、小中学校では学用品や給食費の一部を援助してくれる就学援助制度、高校では就学支援金の加算などがあります。ただし所得制限がありますので各自治体に問い合わせてみましょう」

 


取材・構成/山崎ますみ 取材協力/清水芽々