「肩こりは、筋肉をもみほぐすだけでは治らない」という新事実が明らかに! 頑固な肩こりを根本から改善する簡単で効果テキメンの方法をご紹介します。

肩こり改善のカギは「筋肉」ではなく「筋膜」

 もんでも、ほぐしても、楽になるのは一時的で、すぐにぶり返す「肩こり」。実は、その正体は、“筋肉のこり”だけではなかったのです!

 肩こりの大きな原因は、なんと、筋肉を覆っている「筋膜」。最先端の科学とユニークな実験で、日常の疑問を徹底調査するNHKの人気番組『ためしてガッテン』では、この「筋膜」のメカニズムと、肩こりが劇的に改善する「『筋膜』伸ばし(リリース)体操」を紹介しています。

■筋肉の過緊張で筋膜がよじれる

「筋膜」とは、筋肉を包む薄い膜のこと。筋肉が収縮すると、それに合わせて筋膜も動き、筋肉同士が摩擦を起こさないよう、運動をなめらかにする働きを担っています。

 筋膜は、ボディースーツのように全身にはりめぐらされており、本来、平らな状態で均一に筋肉を覆っています。

 ところが、同じ筋肉を使いすぎたり、長く使い続けたりすると、筋肉の一定部分に過度な収縮が起こります。これにつられて、筋膜のよじれが生じて固まってしまうことが、頑固な肩こりの正体なのです。こうなると、筋膜をほぐす専門的な施術が必要になります。

 プロが行っている施術は、「筋膜リリース」と呼ばれるもの。皮下組織の下にある筋膜を皮膚表面からしっかりとらえ、よじれて寄り集まった筋膜の動きを確かめながらリリース(解放)します。

 従来のストレッチは、筋肉を一方向に伸ばすのが目的ですが、筋膜リリースは、さまざまな方向に動かして、丁寧に筋膜のよじれを解いていくのです。

■普段やらない動きで筋膜を伸ばす

 肩こりを引き起こす筋膜のよじれは、猫背や脚を組むといった日常のクセも大きな要因に。生活習慣の見直しも、肩こり改善につながります。

《筋膜のよじれが生じる原因の例》
①日常のくせ・・・猫背や脚を組むなどの姿勢の崩れは、筋膜がよじれる大きな要因に。
②筋肉の使いすぎ・・・筋肉を使いすぎると、過度な緊張を繰り返すため、筋膜の問題が起こりやすくなります。
③偏った筋肉の使い方・・・いつも片方の肩にかばんをかける、重い荷物を持つなど偏った筋肉の使い方は、筋膜のよじれを生みます。

 自宅で簡単にできる肩こり改善法としておすすめなのは、筋膜のエキスパート、竹井仁先生(首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授)考案の「『筋膜』伸ばし体操」です。

「この体操の目的は、筋膜をリリース(解放)すること。普段やらない動きをじっくり行うことで、よじれた筋膜をやさしく解きほぐします」(竹井先生)

頭と肩腕を伸ばす運動

 今回は、肩まわりの筋膜を伸ばす体操をご紹介します。こると痛みが激しい首から肩にかけての筋肉を伸ばす体操です。

 朝昼夜の3回を2週間続ければ、つらいこりがぶり返さないのを実感できるはず。筋膜をリリースして、つらい肩こりを解消しましょう!(写真右から①②③)

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①右腕を斜め後方に伸ばす
イスに正面を向いてまっすぐ座り、左手を右肩にのせる。右腕は指先をやや後方に向けて斜め下に伸ばす。指先が床に潜り込むようなイメージで、まっすぐ伸ばすのがポイント。

②首を倒して僧帽筋を伸ばす
左手で右肩を押さえながら頭を左に倒し、左の耳が肩より前にくるようにして(囲み写真参照)、右肩の後ろ側にある僧帽筋をゆっくり、じんわりと伸ばす。この状態で20~90秒キープする。

③鼻を左肩に近づけ、さらにキープ
首を下に向け、鼻を左肩に近づけるようにしてゆっくり動かし、首から肩にかけての肩甲挙筋を伸ばす。この状態で、さらに20~90秒キープ。反対側も同様に。

竹井仁先生に聞く「筋膜」伸ばし体操のポイント

・伸ばす時間は、まずは20秒~。慣れたら、90秒~120秒程度かけてじっくり伸ばしてください。

・ゆっくりと呼吸し、身体のつっぱり感がほぐれて、やわらかくなる感覚を味わいながら行ってください。

・体操はいつ行ってもOK。1日の中でこまめに行うと効果的。

・回数は自由ですが、体操後に爽快な疲れが残る程度にするのがポイント。翌日疲れが残ったときはやりすぎなので1日、休息しましょう。

・間をあけずに、毎日の日課にすると、肩こりを予防できます。

<監修>
竹井 仁先生(たけい・ひとし):首都大学東京健康福祉学部理学療法学科教授。医学的知識に基づく身体のリセット術に定評があり、“ミスター筋膜”の異名をとるエキスパート。

写真/荒井 健(PPI)

■『NHKためしてガッテン』今後の放送予定
総合テレビ 毎週水曜 午後8時~8時43分
総合テレビ 毎週金曜 午前0時15分~0時58分(再放送)

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※タイトルはすべて仮です。放送は変更になることがあります。