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 日本人は昔から、暮らしの中で野菜や果物、野草の薬効を知り、自然のパワーを健康に役立てる方法を編み出してきた。

 西洋医学が発達した現代では忘れられがちな知恵ぐすりには、日々の食生活の見直しや、自分の身体に向き合うヒントが詰まっている。

 台所にある食材でできる簡単な知恵ぐすりを中心に紹介。野菜や果物のパワーを知って、身体に備わった治癒力を高め、健やかな暮らしにつなげよう。

■ニンニクショウガ酒

 更年期障害の倦怠感には、疲労回復に役立つニンニクと、血行を促進する力があるショウガで作る薬酒を。

 つくり方は、①ニンニク50gは皮をむき、細かく刻む。②おろしショウガ50gと①、氷砂糖300gを広口瓶に入れてアルコール度数35度のホワイトリカー1.8リットルを注ぐ。③2か月ほど冷暗所で保管して完成。毎日20mlを目安に飲む。

■ショウガ葛湯

 筋肉の緊張をほぐす働きのある葛粉と、血行を促進するショウガを使ったドリンク。葛粉は「本葛粉」を使って。ハチミツを使っているので、1歳以下の乳児にはNG。

 つくり方は、①ショウガ1片をよく洗い、皮つきのまますりおろし、こしてしぼり汁を小さじ1作る。②小鍋に水150ミリリットルと葛粉大さじ1を入れ、ダマにならないようよく混ぜて、弱火にかける。③とろみがでてきたら、ハチミツ小さじ1と①を混ぜ、透明になったら火からおろす

■ゴボウのしぼり汁

 ゴボウの根には、咳止めの薬効がある。しぼり汁は意外に甘いので、咳止めの定番対策に。

 つくり方は、ゴボウの根には、咳止めの薬効がある。しぼり汁は意外に甘いので、咳止めの定番対策に。

■ゴボウのゆで汁

 ゴボウのタンニンは、細菌やウイルスによる湿疹とかゆみに効く。ただし、アレルギー疾患には向かない。

 つくり方は、①ゴボウ100gを細切りにして200ミリリットルの水でゆがく。②冷ましたゆで汁で患部をよく洗う。かゆみが強い場合、患部を5分ほど浸すのも効果的。

■リンゴのすりおろし湿布

 ヤケドを流水などで冷やした後、まだ軽い痛みがあるときは、消炎作用もあるリンゴの湿布を当てて。

 つくり方は、①皮つきのままリンゴをすりおろし、ガーゼなどに包んでヤケド部分に貼りつける。②1日2~3回、リンゴをすりおろして湿布する。

■リンゴの葛湯

 下痢のときは、腸内環境を整えるペクチンが豊富なリンゴと、消化がよい葛の組み合わせを。

 つくり方は、①水100ミリリットルと本葛粉大さじ1をよく混ぜておく。②リンゴ1/2個をよく洗い、種と芯を除き、すりおろす。③鍋に、①、②を入れてよく混ぜ、ダマにならないよう混ぜながら弱火にかける。透明感が出てとろみがついたらできあがり。

■焼きみかん

 発熱時の知恵ぐすり。皮ごと食べれば、免疫力アップにつながる成分を余すところなく摂取できる。

 つくり方は、みかんを皮ごと、オーブントースターや網焼き器で、ヘタとお尻に焦げ目がつくまでじっくりと焼く。

■みかんの果汁

 指先の血流が悪くなって起こるしもやけには、みかんの成分リモネンが薬になってくれる。つくり方は、みかんの果汁をしぼり、しもやけ部分に擦り込むようにして塗る。