体調面を配慮したとはいえ、紅白歌合戦に録画での出演を果たした中森明菜。NHKも、やはり歌姫・明菜が持つ数字に惹かれたに違いない。
「明菜にとって初めての“オールタイム・ベスト”は、デビュー時に所属していたワーナーミュージックや現在のユニバーサルミュージックなどがタッグを組んで実現した企画です。『オリジナル』が初週で約3万枚、『歌姫』は1・5万枚を売り上げて、昨年の8月18日付の週間アルバムランキングでそれぞれ3位、7位になっています」(音楽ライター)
やはり明菜の歌を待ち望んでいたファンが多いことが改めて証明されたわけだが、計3曲の新曲に関しては、『DESIRE』『ミ・アモーレ』のような迫力ある歌唱を望んでいたファンには、少し物足りなかったかもしれない。それでも、音楽プロデューサーの酒井政利さんは、新曲を聴いて彼女の声のよさを改めて感じたという。
「久しぶりの“明菜節”という感じがしますね。やっぱり、彼女はいいものを持っていますよ。やや重いテンポの曲調ですけどね、“明菜でなければ”という味があるんです。この新曲を聴くかぎり、彼女は気負わず、自然体で軽く歌っているんだと思いますよ。今ね、アダルトな曲を歌える人が少ないんです。新曲をイントロに、“中森明菜第二章”の幕開けを見せてほしいと思っています」
ただ、酒井さんも、この新曲で明菜が完全復活を果たしたとは考えていない。
「この曲はね、準備不足で出している感じもします。発売が決まっていて、時間がない中で作ったという感じがどうしてもぬぐえません。とにかく“本勝負”の感じがしませんね。長い間ごぶさたしているので、ファンに対するサービス精神のようなものでしょう。ファンが待ちきれないという時期が来ていますのでね。助走前の準備をしている状況なんだと思いますよ」