創刊から実に60年という歴史ある雑誌『銀座百点』。“銀座の香りを届ける”というコンセプトのためか、中尾彬や名取裕子など連載陣の顔ぶれも豪華だ。11月号には司葉子と冨士眞奈美による対談が掲載されていたのだが、そこで司がこんなことを言っていた。
《(原節子は)ほんとにすてきなお姉さま。今でもときどきお電話します》
原といえば“永遠の処女”と呼ばれた銀幕の大女優。最後に公の場に姿を見せた1963 年の小津安二郎監督の葬儀以降は表舞台には立っていない。
自宅周辺では目撃されているのだろうか。鎌倉駅から車で10分ほど走った閑静な場所に彼女の住まいはある。最近の様子を近隣に聞いてみたが、
「ここ5年くらいは原さんの姿を見ていません。前はよく、散歩をしたり買い物に行く姿を見かけたんだけどね。もう自宅にはいなくて、東京の施設に入っているって話ですよ」(近所の住人)
なんと、近所の人たちも原を見ていないというのだ。本当にもう鎌倉にはいないのだろうか。自宅のインターホンを押してみると、甥である男性が対応してくれた。
――現在、原さんはここに住んでいるんですか?
「ええ。まだここに住んでいますが、基本的に外出はしません。車でお寺に行ったりとか、月に何回か外に出るくらいです」
――どんな生活をされているんでしょうか?
「家では読書したり新聞を読んだりするくらいですけど、私もずっと一緒にいるわけではないのでよくは知らないです。食事に関してはわれわれが買って行って自分で作っています。病気なども特になく、元気に過ごしていますよ」
基本的に外出をしないことから近隣の目撃こそないものの、やはりまだ鎌倉に彼女はいたのだ。先日亡くなった高倉健さんのことについても聞いてみたが、
「高倉さんが亡くなったことは新聞で知ったみたいですが、その件に関しては特に話していませんでした」
甥に聞いた話を踏まえて、改めて司にも話を聞いてみた。
――いつもどのくらいの頻度で電話されるんですか?
「特に時期は決めていません。したくなったときにする感じです。1時間くらいは話すでしょうか」
――いつもどんなお話を?
「すみません。その質問には答えられません。彼女がいっさい表には出ないというスタンスを貫いている以上、私も破るわけにはいきません。私が言えるのは、彼女が元気だということだけですよ」