・お給料がもらえるお相撲さんは10人に1人
力士には『日本相撲協会』から給与が毎月支払われているが、その対象となるのは『十両』以上の力士だけで、約70人ほど。現在、大相撲の力士数は700人弱なので、給与がもらえるのは全力士の中で、10人に1人ということになる。
『幕下』以下の力士は、わずかな手当程度は出るが基本、無給。しかも番付的には隣り合う『幕下』と『十両』の月給は約100万円もの差がある。
力士が引退するときに、力士人生で最もうれしかったことに“十両昇進”を挙げるケースが多いのは、このためと言われている。このような仕組みはほかのプロスポーツにはない相撲独特なもの。そのため、幕下力士の取組はガチンコ勝負が見られるのも魅力。
ちなみに『十両』以上の力士だと、引退力士を対象に支給される『養老金』ももらえる。これはいわゆる退職金のようなもので、番付の地位や勤めた場所数などを考慮して決定されるという。
・力士が東西に分かれて戦うワケ
もともと東と西に相撲団体が2つあったという説もあるが、1909年に旧両国国技館が開場したのをきっかけに、力士をふたつのチームに分ける東西制が採用され、東西対抗の団体戦という形で相撲が行われていた。
東側と西側に分かれて戦うので、東と東、西と西の取組はなく、優勝旗をつくり、幕内の東西のそれぞれの勝ち星を合計して、多いほうを優勝とし、翌場所の番付で東の位置づけとしたんだとか。
‘65 年からは、部屋別総当たり制が始まったが、昔の名残として、東西に分かれた『番付』が今でも発表されている。ただ、現在は力士の成績を加味して、上から順に東の横綱から振り分けているだけ。