暑い夏が過ぎ去り、今年もあと3か月。そろそろ年末のディナーショーのチケットが販売されます。豪華なホテルで、おいしいごはんと憧れのスターを堪能。1度は行ってみたいけれど、値段がちょっと高いし、勇気がいる、なんて思っている方は以下、ご覧あれ
昨年はユーミンこと松任谷由実が、自身初となる年末の単独ディナーショーを開催。6万円という超高値がつけられて話題になった。また、消費税が5%から8%に変わった分を、値上げしたアーティストもいたけれど……。今年はそういうこともなく、お値段ランキングでも昨年の2~5位がそのまま1~4位にアップ。
「逆にいうと、これが普通なんですよ。そろそろ落ち着いてきた、という印象。高けりゃいいってものでもないですし、ディナーショーがコンサートと違うのは“高級感”のほかに“特別感”と“間近に会える”ですからね」
と語るのは、芸能レポーターの川内天子さん。
最近はファンサービスが丁寧になったという。特に“ラウンド”と呼ばれるディナーショーならではのサービスもあるんだとか。
「各テーブルを回ってくれたりする人もいるんです。コンサートで目が合ったとか、そんなレベルではなく、直接話せたり、触れたり、ファンにとってはたまらないですよ。あと、コンサートは新曲とかをいっぱい歌うけど、ディナーショーはヒット曲が中心。だから、ファンじゃなくても知っている曲なので楽しめます。毎年、工夫が施されているから、何度行っても飽きないし、また来年も来ようね、ってなるんですよ」
そんな工夫を特に感じさせるのが、今年、還暦を迎えた郷ひろみ。5月に通算100作目のシングルをリリースしたが、
「“この曲をこんなふうに歌うの?”ってアレンジがすごいんです。それに明るい曲が多いので、ノリッノリ、アゲアゲのショーになるんです」
GO、GO~! そういう意味では、かつての恋人・松田聖子も負けていない。
「聖子ちゃんは、グランドプリンスホテル新高輪の『飛天』という大きな会場で行うんですが、さすがにラウンドなんてしません。正直なことを言うと、ほかの歌手より距離も遠いです。でも、だからこそ、ステージは広いし、衣装や演出がかなり凝っていて特別な感じが強い。あと、コアなファンの中にはオカマちゃんも多いから、独特の響きの“聖子ちゃ~ん”というかけ声も楽しめたりします」
ディナーショーの“ミス&ミスター”は、今年もこのふたりでキマリ!
それにしても、景気が必ずしも好転しているとはいえないなか、ディナーショーが衰えを見せない理由はというと。
「言いすぎかもしれませんが、決まったお金がまとまってドンッと入るので、歌手にとって年に1度の稼ぎどきなんです。ホテルのほうにもそれは言えて、ディナーショーって毎年、利益の見込みができるので、みんなハッピーなんです。だから、たいてい同じホテルで同じ人が毎年ディナーショーを開いていたりするんですよ」
と、川内さん。さらに「相乗効果も期待できる」として、
「“料理もよかったし、ショーも楽しかった”というホテルの評判にもつながり、宿泊や結婚式にも使われるという、長い目で見たメリットもあるんです。ホテルっていろいろな利用方法があるけど、ホテル側にとってもディナーショーは客層を広げる役割も担っているんです」(川内さん)
また、今年はデビュー50周年の谷村新司をはじめ、35周年の鈴木雅之など、自らの節目の年とディナーショーを絡めるケースも目立つ。これについては、
「昔はデビュー〇周年というときは、歌手が自分でパーティーを開いていたんですよ。お金をかけてやっていたのを、ディナーショーに変えてきているのでは。パーティーとは別にディナーショーもあるとなると、集客力にも響きますしね」(川内さん)
とはいえ、お値段ランキングの上位には何十年もの芸歴を誇るビッグネームがずらり。このあたりも踏まえて、川内さんにディナーショーの今後を聞いてみると―。
「やっぱり、お客さんを呼べて採算がとれる人ってなると、大物に偏ってくるんですよ。ただ、ホテル側にとっても、もう少し若い層を呼べないかともなるので、アンパンマンやモノマネなんかのショーも増えていく気がします。個人的には、日本の伝統的な三味線とか太鼓とかとコラボしながらやっていくっていうのはアリかなと。あと、若手のイケメン演歌歌手集団とか。ちょっとした歌謡ディナーショーみたいな需要はあると思いますよ。ありえない組み合わせでも、ディナーショーならではのペアが実現したりしますから」
ありえない組み合わせ、というならいっそ、ディナーショーの“ミス&ミスター”、聖子と郷の共演はどうだろう? 川内さんは「ありえない! それはありえないですよ(笑い)」と即答しながらも、
「もし実現したら、値段的に1人10万円は軽くいきますよ。きっと15万~20万円でも出す人はいるでしょう。私も見たい! お祭りになって、ニュースになりそうですね。でも、話題づくりのきっかけのために、今後あるかもしれないですよね。あってほしいな、とも思います」
ただ、参加するためには気になるのがチケットが取れるかどうか。席が埋まってしまう期間を例年の傾向で聞いてみると、
「人気アーティストは販売初日~3日程度で完売しますが、平均的には11月中ごろ、みなさまがクリスマスのご予定を決めるころまで、お席は残っています」(ホテル椿山荘東京)
帝国ホテルによれば、「即日完売というわけではないですが、よい席を確保したい方には早めのご予約をおすすめします」とのことだった。
ディナーショー常連はもとより、未経験の人も、ここはいろいろ検討してみて、年末の思い出づくりにぜひ、お役立てください!