「埼玉化する日本」中沢明子著 861円/イースト・プレス
「埼玉化する日本」中沢明子著 861円/イースト・プレス

 最近“消費”をめぐる本が多数出版されている。中でも現在の日本の消費をリードしているといわれるのが、地元志向が強く、家族や仲間を大事にし、ミニバンに乗り、ショッピングモールを好むという“マイルドヤンキー”と呼ばれる層だと言われている。

 しかし、その風潮に「待った!」をかけるのが本書。

 数年前に「イオンモール与野」を訪れて感動したことから、住んでいた東京から埼玉に移り住んだという著者がたどり着いた答えが「日本は埼玉化している」という、にわかには信じがたいような仮説だ。

 普段の消費は埼玉で、高感度な消費をしたいときはすぐ隣の東京都へ行けば可能……一見“無個性”に見える埼玉が、実はちょうどいい消費のための日本の近未来の姿なのではないかと著者は推測。

 これが本当に“埼玉化”と言えるのかどうか? そのためにも本書を一読する価値はあるだろう。