朝から夕方まで買春
「報道を見てびっくりしました。子どもを教育する立場の人間として残念。ひっぱたいてやりたい」
「教育者としてあるまじき行為。実に許しがたい」
「子どもたちに対する裏切り。“先生の言っていることは全部ウソだった”とトラウマになったら一大事です」
元校長という立場の男が犯したエロ事件に、容疑者を知る教育関係者は一様に、驚きと怒りの非難を浴びせる。
熱心な教育者として仮面をかぶり続ける一方、フィリピンに渡航した時だけ素顔を丸出しにした男の名は、高島雄平容疑者(64)。現地で少女とのわいせつ行為を撮影し、画像11枚を保存したとして、神奈川県警は今月8日、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)で、同容疑者を逮捕した。
「現地ではドクターと詐称し、朝から夕方まで買春していた。相手に支払う金額は、1回あたり日本円で3000円程度でした」
と一般紙社会部記者。
変態人生の幕開け
高島容疑者は、2011年に神奈川・横浜市立中学の校長として定年退職するまで36年間、教職の立場にあった。教諭から副校長、校長とキャリアアップ。定年退職後も市立中学に再任用され、公益財団法人の研究員として教育冊子の編集長も務めていた。エロと教職のギャップが、周囲をさらに驚かせることになる。
26年前、文部省(当時)の派遣試験に合格しフィリピンに派遣されたことが、変態人生の幕開けとなった。取り調べに「買春はマニラの日本人学校に勤務していた1988年に始めた。倫理観のタガをはずすことで解放感を得ることができた」と供述している。
警察によると、延べ約1万2600人以上の女性を買春。その行為を収めた写真約14万7600枚がナンバリングされたうえ、410冊のアルバムに整理されていたという。女性の年齢は13歳から70歳と幅広い。ロリコンマニアでも熟女専門でもなく、手あたり次第という“性獣”ぶりだ。
フィリピンで解放感を味わい帰国すると、日本では教員人生を全うしていた。妻と2男1女の5人家族。豪華な一戸建てに住み、ガレージには外国車と国産車が1台ずつ。近所の住人は、
「色黒で、小太りな方。物静かな感じです。BMWに乗り込むところを見たとき、ジャージっぽい服で、そのギャップにあれ? って思ったことがあります」
マニラの日本人学校から帰国後に勤務した中学校関係者は、「女子生徒を怪しい目で見るなど、不審な話は一切なかった。子どもと接するのがあまりうまくはなく、積極的に入り込んでいくタイプではなかったので、担任はしていません。技術の先生で、授業後は技術準備室にこもっていることが多かった」と証言する。
容疑者が校長を務めた学校関係者は「犯罪と結びつくようなことには、気づかなかった。誰に聞いても“信じられない”と言うはず」と放心。
鋼の仮面をかぶり、無難な教育者を演じ切っていたのだ。
公務員の場合、海外に行く際には旅行届を教育委員会に提出するが、容疑者の渡航理由は“マングローブの植林ボランティアの団体に参加するため”。虚偽の申請をし、計65回も渡航していた。
容疑者が校長時代に娘が通学していた保護者らは「そのころから(買春を)していたと思うと……言葉が出ないですよね」「本当に気持ち悪い。驚きの後に怒りが込み上げ、その後はアキレる。汚らわしい」と眉をひそめる。
元生徒らの評判は……
元生徒らの評判はよく「いつもニコニコ」「おとなしそうで、あんまりしゃべらない感じ」「みんなを守ってくれてそうな先生だった」などなど。次のような感謝の声も。
「運動部の部員と顧問の先生がモメた時がありました。決着がつかなくて、校長先生が間に入ってくれたんです。生徒の意見を尊重する立場で、顧問の先生とうまく話をつけてくれたおかげで解決した。修学旅行の記念写真でDAIGOの“ウィッシュ”ポーズをやってました。当時、超流行ってたからかな(笑い)」
卒業アルバムでも複数の写真で“ウィッシュ”している。
校長時代、学校便りで「世界には国や家族のためにいやおうなく働かされ、人生が自分自身のものでない子どもたちさえたくさんいるのです」と人権を訴えていた。
’10年度の始業式では「自分がいい加減な行動をしていながら、下級生にだけ“ちゃんとやれ”などという先輩にならないでください」と手本を示すことの大切さを説いたが、当の本人が買春どっぷりでは……。
すでに本人は保釈されている。自宅を訪ねると、やつれた様子の妻らしき女性が「だから何ですか」と荒っぽく吐き捨てた。横浜市教育委員会は、退職金約3000万円の全額返金を求めるという。
容疑者の卑劣な行為に、弁明の余地はない。代償は高くついたが、かつての同僚は、「日本や世界で彼と同じようなことをやっている人が、本当にいなくなってほしいですね」と願い、「そういう生き方は間違っている。すべて失うことになるから、即刻、襟を正しなさい」と呼びかける。