20150609 kakosmaa (5)


メディアでお見かけしない日はないほどの大人気。佳子さまのご公務の姿はもちろん、キャンパスライフにも注目が集まっている。なぜいま、日本じゅうで佳子さまフィーバーが巻き起こっているのか─。各界の識者が徹底分析!


フィギュア、ダンス。表現力を学ばれた自己プロデュース力!

「かわいらしいお方ですから、週刊誌が追いかけたくなる気持ちは理解できます。それは容姿端麗なだけではなく、お人柄や資質による部分も大きいのではないでしょうか」

 そう語るのは、元宮内庁職員の皇室ジャーナリスト・山下晋司さん。

「これまでの内親王や女王方は、どちらかというと普段と変わらず自然体で振る舞っておられたように思いますが、佳子内親王殿下は人からどう見られるかをかなり意識しておられるように感じます。わざとらしくならない程度に自分を美しく見せる術を身につけておられるのでしょう」

 佳子さまは、自己プロデュース力が高いという。

「フィギュアやダンスをおやりになっていることが大きいのではないでしょうか。これらのスポーツは技術だけでなく、美しく見せることも重要です。幼いころは引っ込み思案でもの静かなお子さまでしたが、フィギュアやダンスによって、自分を表現する力を身につけられたのだと思います」

 だが、"皇室の方々にはありのままでいてほしい""自分をよく見せるなんて皇室らしくない"という声があるのも事実。

「思ってもいないことを口にしたり振る舞ったりするのはよくありませんが、自分の思いを"どう伝えるか"ということを考えるのは大事なことです。表現などを工夫することで、より多くの方にメッセージを届けられるならいいのではないですか」

 皇室典範では、皇位継承者は「皇統に属する男系の男子」と定められている。今後、秋篠宮殿下や悠仁さまが即位すれば、将来の佳子さまは"天皇の娘"、そして"天皇の姉"になる。

「その点で今までの宮家の女性皇族とは違ってきます。佳子内親王殿下は"天皇を支える"という役割がますます大きくなっていくでしょう。そう考えると、"佳子さま人気"は皇室にとって悪いことではありません。特に皇室に関心のない若年層が佳子内親王殿下をきっかけにして皇室に親しみや関心をもってくれたらいいですね。節度は必要ですが」

 この先、両陛下のご成婚の際に起こった"ミッチーブーム"以来の大ブームがやってくる可能性は?

「両陛下のご結婚は好景気に沸いた昭和30年代で、国民の一体感もありました。価値観が多様化した現在とは背景が異なりますので、あのときのようなブームになることはないでしょう」

 とはいえ、こうしたブームの力はあなどれない。皇室を知るきっかけにもなるからだ。

「例えば、高円宮殿下がコレクションされていた根付(江戸時代、タバコ入れなどをひもで帯からつるして持ち歩くために用いた留め道具)は、工芸品として日本よりもヨーロッパで広く知れ渡っています。こうした芸術品をきっかけに、海外の人たちが皇室を知ることもあったでしょう」


山下晋司さん ●皇室ジャーナリスト。昭和63年から平成7年まで、宮内庁の報道担当を務める。