平成26年の認知被害件数は1万1256件。被害総額はなんと約379億7828万円! 年々増えているという振り込め詐欺被害。
そんな中、人気アニメ『プリキュア』が大好きな“オタクの息子”を持つ母親に振り込め詐欺の電話がかかってきた際、「うちの息子ならプリキュア37人言えるはず!」と撃退したエピソードが報道され話題に。
そこで、ユニークな切り返しで振り込め詐欺を撃退したケースを集めてみました。
■ケース1
電話:オレだけど、ケータイが壊れちゃって番号変わったんだ
父親:そうか……ところで「オレ」の名前言ってみてくれるか?
電話:なんでそんなこと聞くんだ!(ガチャ)
名前を言わない人にはまずは確認が基本ですね。でも、確認されただけで切ってしまう詐欺くんにはちょっとガッツが足りない気もします。
■ケース2
電話:オレだけど、ケータイ落としちゃって……警察から電話なかった?
母親:あんた声が変よ! 風邪ひいてるなら早く帰ってきなさい!
電話:(ガチャ)
電話口だと意外とわからない相手の声ですが、ちょっとでも様子が違ったらそこをツッコんでみるのがよさそうですね。
■ケース3
電話:オレだけど、ケータイ落としちゃってさ……この番号登録しておいてくれる?
母親:登録しておくね。
(翌日)
電話:実は、会社のお金を使い込んじゃって……事件にしないためにはお金が必要なんだ。指定の口座に振り込んでもらえないかな?
母親:直接取りにくるか、お前の口座に振り込むのなら貸してやる。
電話:(ガチャ)
「見知らぬ口座」への振り込みはNGが大原則! でも、緊急だと言われたら払ってしまいそう……そんな時には毅然と「取りに来い!」です。
■ケース4
電話:(ガラガラ声で)ケータイを修理に出してるから、番号が変わったんだ!
父親:そうか、ところでお兄ちゃんはどうしてる?
電話:え? 家にいるんじゃないかな?
父親:海外にいるはずだけどな……
電話:(ガチャ)
家族のことを聞いてみるのはオレオレ撃退の基本! でも、今はこれくらいは調べてかけてきている可能性も十二分に……。
■ケース5
電話:〇〇だけど、ゴホゴホ……風邪ひいて声がおかしくなっちゃってさ。ところでケータイ落としちゃったんだけど、警察から電話きてないかい?
母親:お前、午前中に家に来たのに何言ってるんだい?
電話:(ガチャ)
こちらは息子さんを騙ったものの、すぐに感づいたお母さんのとんちが炸裂。カマをかけたら経験不足の相手はあわてて二の句がつげません。
■ケース6
電話:もしもし、オレだよオレ。
母親:〇〇なの?
電話:そうそう。〇〇。実は事故を起こしちゃって……。
母親:〇〇さん! お母さんは自分のことオレなんていう子に育てた覚えはありません!(ガチャン)
普段のしつけに絶対の自信を持った方にはこの対応をおすすめします。「都会に行って息子は変わってしまった……」はNGですよ!
■ケース7
電話:(すごい雑音の中で)お父さん〜! 〇〇だけど、事故しちゃって〜△※○
父親:テメー! 今どこにいるんだ!! そこ動くんじゃねえぞ!!
電話:(ガチャ)
お父さんは娘を心配するあまり、居場所を聞くのについ語気が強くなってしまった模様。こんな迫力系のパパには詐欺犯もタジタジですね。
■ケース8
電話:警察です。窃盗団を先日捕まえたところ、あなたの名前が出てきました。キャッシュカードを使用されたおそれがあります。
女性:年寄りなので、カードは使っていませんけど……。息子に相談してからこちらからかけ直しますので、そちらのご連絡先を教えてください。
電話:110番だ(ガチャ)
「110番だ」はたいへんオチとしてお粗末ですが、「かけ直します」は有効な手段。とにかく1度、電話を切って、考える・相談する余裕を!
■ケース9
電話:もしもし、〇〇だけど。お金が急に必要になって……
母親:あんた、銀行のキャッシュカード持ってるでしょ。近くのコンビニに、ATMがあるから、お金が必要なら、そこで引き出しなさい。基本24時間OKだから。確か限度額は30万くらい?
電話:……
「マジレス」という言葉がぴったりの正論返し。あまりにすがすがしくて詐欺犯も読者のみなさんも「そういうことじゃないんだよね〜」って思いますよね?
■ケース10
電話:もしもし、オレなんだけど……ちょっと事故っちゃってさあ
父親:ああ、同業者の方ですか?
電話:(ガチャ)
これはワザあり! 同業者だとできるだけ落ち着いて言うことで「これ以上話しても無駄」と思わせたらこっちのものですね。
■ケース11
電話:オレだけど、会社のお金を使い込んじゃって……
祖母:ないごっ、そげんこっしたとよ! こんバカしったんは! がっつい、もぉ! まっこてげんねか!
(どうしてそんなことしたの! このバカもの! 本当にもう! 恥ずかしい!)
電話:(ガチャ)
実は方言が難しい地域は被害件数がグッと少なくなるという統計があるそう。最も少ないといわれる鹿児島の方言は、津軽と並んで難しいと言われる方言ツートップ。子や孫を名乗ったら、わざと濃いめの方言で話すのも手かも。
※ここでは初歩的な“オレオレ詐欺”のケースを紹介しましたが、最近は「劇団並み」の演技力と組織力が備わった詐欺グループが多数存在していて、電話口で判断できないのケースが増えているのだそう。同時公開の記事『「巧妙化しすぎて見破れない」振り込め詐欺の最新手口』もお読みください。