視聴率的に軒並み苦戦している今年の夏ドラマ。そんな中、民放で唯一、視聴率2桁キープしているのが杏主演の『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)。
「そして杏と上川隆也のコンビ、池井戸潤原作の『花咲舞が黙ってない』、もうこれは安定、信頼のブランド。人間が通りいっぺんではなくしっかり描かれていて、銀行という特殊な世界をちゃんと見せてくれる。想像ではなく、きちんと取材しているリアリティーを感じる内容で、話に説得力があるんですよ。こういうドラマを職業ものって言うんですよ、ほかの人たち!」(コラムニスト・今井舞さん)
今井さんが夏ドラマのベスト作品として挙げたのが、『花咲』と同じ池井戸潤原作の『民王』(テレ朝系)。
「身体が入れ替わるというよくある設定ではありますけど、これは役者の演技にかかっているところがあって、昭和気質の首相の遠藤憲一とフニャフニャ息子の菅田将暉の演技は、入れ替わった後、どちらも圧巻。さらに秘書役の高橋一生、政界のドン役の西田敏行、政敵の草刈正雄とか脇のキャラもいちいちイイ。展開があってオチもある脚本、そしていい演出と役者という3つがそろった、ドラマの良心ってまだあったんだな、と感じさせてくれる作品ですね。惜しむらくはゴールデンじゃなく深夜ドラマということ。知らなかった人は、今からでも遅くないのでぜひ見てください。こりゃ池井戸原作の天下、まだまだ続くなぁ」