8月11日から17日までの予定で、毎年恒例となっている静岡県下田市の須崎御用邸で静養された皇太子ご一家。今回は11日のご到着のときから、雅子さまは笑顔が目立ち、いつもの滞在とは違った印象だった。

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 長期療養が発表されてから12年がたとうとしているなか、雅子さまの回復傾向は、より強まっているのだろうか─。

「雅子さまがこの夏の静養を安心して過ごすことができたのは、いくつかの安心や達成感があると思います。大きな理由のひとつは、先日の美智子さまの心臓の検査結果が、心配するほどではなかったことが挙げられると思います」(理由1)

 そう話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさん。

「もし美智子さまが再検査や手術ということになれば、皇太子ご一家も静養どころではなく、雅子さまもご心労が募る一方だったと思います」(渡辺さん)

 6月下旬から胸の痛みを感じ、8月9日に東大病院で心臓の精密検査を受けられた皇后美智子さま(80)。CT検査の結果、心臓を囲む3本の冠動脈のうち2本の計3か所に狭窄がみられたが、再検査や手術の必要はなく、当面は経過観察ということで大事には至らなかった。

「宮内庁から美智子さまの負担軽減策も発表されましたが公務は予定どおりで、8月の下旬から長野県と群馬県での静養もされるので、ご体調は概ね問題ないということだと思います」(前出・記者)

 美智子さまがそんな体調不安を抱えながらも、陛下や国民に尽くす姿を目の当たりにして、心を打たれたこともあるのではと、前出の渡辺さん。

「最近の雅子さまは、美智子さまが80歳を越えたお身体で、戦後70年の慰霊の旅を続ける天皇陛下をお支えになっている姿を見て、奮起されたとお見受けしました。雅子さまは約2年ぶりの海外でトンガを訪問しましたが、現地では在留邦人の会合にも出席するなど、予定以外のお出ましもして自信をつけられたはずです」(理由2)

 今年になり、お住まいの東宮御所内でのご接見も増えている雅子さま。

「雅子さまは今年、日本に赴任してきた各国大使とお会いになる機会が増えています。3月には英国のウィリアム王子と接見し、以前から心を寄せる『OECD東北スクール』参加の生徒らともお会いになりました。6月には、昨年に続いて負担が重いとされる宮中晩餐にも出席されています」(東宮職関係者)

 7月31日には、約4年半、空席だった雅子さまのお世話役のトップである東宮女官長に、元中国大使の故・西宮伸一さんの妻・幸子さん(58)が就任することも決定。

 雅子さまの公務復帰が、本格化するとみていいのかもしれない。

「重圧のかかる両陛下から引き継いだ公務を、無事終えたことの達成感もあるのではないでしょうか」(理由3)

 こういう見方をするのは、別の東宮職関係者。

「特に6月の新宿の子育て支援施設訪問は、両陛下が平成になって始めた『こどもの日』にちなんだ公務を今年から引き継いだもので、失敗は許されませんでした。それをつつがなくこなし、8月4日に、これも両陛下から引き継いだ北海道や沖縄の豆記者との懇談に、雅子さまは6年ぶりに出席されました」

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54回目を数えた「豆記者」との懇談で、笑顔で子どもたちの緊張をほぐされていた雅子さま(8月4日)

 前出の渡辺さんは、こんな理由も挙げる。

「長女の愛子さまのご成長も、雅子さまの安心感につながっていると思います。昨年まで愛子さまは不規則登校で周囲にも心配をかけていましたが、中2になってからは落ち着き、夏休みに沼津で行われた合宿では苦手な遠泳も3キロを泳ぎ切ることができたとうかがっています」(理由4)

 2年前の遠泳では500メートルがやっとだった愛子さまが距離を6倍に増やし、たくましく成長されたことに、雅子さまは充実感を得たことだろう。

「"佳子さまブーム"が、間接的に雅子さまに好影響を与えたと言うこともできると思います」(理由5)

 そんな視点で語るのは、冒頭のジャーナリスト。

「昨年末に成年となった佳子さまに対する報道が年明けから増えると同時に、雅子さまに対する厳しい報道が落ち着き、静かな環境で過ごすことができました。さらに姉のような存在である佳子さまのご活躍が、愛子さまの"憧れ"や"お手本"となり、不規則登校がおさまるなどして、雅子さまの心配がなくなったこともあると思います」(同・ジャーナリスト)

 今年上半期のそんな充実した日々がもたらした夏のご静養だが、8月下旬からは栃木県の那須御用邸での静養も予定されている雅子さま。皇太子さま、愛子さまとともに那須でもしっかり休養して、秋からのお出ましに備えていただければ─。