「事件前夜、ボクだけがあの子らに声をかけたとか、目撃したと言われていますが、絶対にそうじゃない。大きな事件になったから関わりたくなくて名乗り出ないだけ。真夜中でも大人は歩いているし、アーケード街のベンチのある弁当屋さんは24時間やっている。あんな夜中に子どもがいたんですから絶対に気づくはず」
と話すのは子どもたちが"ネコじい"と呼ぶ戸塚正樹さん(43)。39匹のネコを飼い、チェーンをアクセサリーのように首に巻くなど独特のスタイルで注目された。しかし疑われていたという。
「ああ、こうやって撮影しておいて犯人だったら顔を出すんだなと」
目撃者と名乗り出るのはリスクがある。なぜ、声をかけなかったのかと責められるかもしれない。戸塚さんはあの夜、平田さんから「ネコかわいい」と言われた。カップラーメンを1本ずつすすっている星野くんには「のびてるやろ」と声をかけ、「なんでわかんねん」と驚かれたという。
取材を受けたのは、2人を助けられなかったと後悔しているから。
「犯人から狙われたら、返り討ちにして捕まえようと思っていたんです」。
生活保護と空き缶回収で生計を立てる。自宅もある。
「いまのボクは、ふなっしーみたいな扱いですから(笑い)。でも、危ない状況の子どもがいたらせめて声ぐらいはかけなきゃね。すでに寝屋川はカオス。人情深いのが大阪なのに、もう終わっている」