『ガンダーラ』『モンキー・マジック』『銀河鉄道999』などのヒット曲を持つバンド「ゴダイゴ」のリーダーであるミッキー吉野。
4歳でピアノに触れ、映画『愛情物語』のカーメン・キャバレロのピアノに感動してピアニストを志したという自身の半生と音楽について、そして日本の音楽シーンを振り返る『ミッキー吉野の人生の友だち』を出版された。
「30代の時に自分のサントラとして『ロングウェイ・フロム・ホーム』というアルバムを作ったんです。日本語だと、家から遠く離れてという意味なんですが、物事って追求していくと、家から離れてしまうことになる。
でもそれが“アート”だと思う。ただ、戻れなかった人もたくさんいますよね。僕は音楽を追求したけど、戻ってきた。それは仲間がいたからです。だから人間って、物事をひとりで追求しちゃいけないんです。
最終的には誰か仲間を見つけて答えを出していかないと、おかしくなってしまうんです。僕はそういう仲間に恵まれた。それが“人生の友だち”というタイトルの意味なんです」
人生で出会った人たちがたくさん登場する本書には、ザ・ゴールデン・カップスや昔のゴダイゴの貴重な写真も多く掲載されている。
「文字って“過去”を残していくもので、今回そのための本が書けました。そして音楽は“未来”を奏でるもの。過去と未来があって、自分が生きている“今”を意識できるようになったかなと思います。
その今、コンサートなどでファンの方を見ていると、僕やメンバーも含めて、おじさん、おばさんになっているんです(笑い)。でも僕らの音楽を聴くとね、みんなニコッと笑って若いころに戻るんです。
それを見ると、僕は素晴らしい仕事をしているんだなって思いますね。やっぱり生きるんなら楽しく生きないとダメですよ。ですから、たまには自分の笑顔を思い出して、心から笑ってみてください。僕らの音楽やこの本が、そのきっかけになってくれるといいですね」