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 『下町ロケット』には、佃製作所の社長を演じる阿部寛をはじめ、視聴者を元気づける名言が数多く生まれている。そこで選りすぐりのセリフを選抜して紹介。

●「これはプライドの問題だ! 見下されっぱなしで黙ってられるか」

 第3話では、『帝国重工』の開発部長の吉川晃司演じる財前道生が、『佃製作所』の技術力を目の当たりにし、『帝国』のロケットを飛ばすためには佃製作所のバルブシステムが必要であると判断。帝国が部品の品質テストをする展開となった。

 テストに伴って、佃を目の敵にしている帝国の技術部門の富山(新井浩文)が技術部門や財務部門の担当者を引き連れ、佃製作所にやってくる。佃製作所の社内に入るやいなや、財務担当者が皮肉たっぷりの発言を連発。

 営業赤字であることも指摘し、「しょせん、零細企業ですね。帝国重工ではありえませんよ。これではとうていウチと取引をするのは無理だ」と手ひどく非難する。最初から不合格にさせるために来たとしか思えない露骨な対応を目の当たりにして、バルブシステムの供給に批判的だった佃製作所の営業第二部係長の江原春樹(和田聰宏)が奮起。

 休憩中の屋上で、経理部係長の迫田滋に対し、「バルブシステムの供給なんかはどうでもいい。でも、帝国重工からあれだけバカにされた」と、“佃プライド”を傷つけられた怒りを吐露するシーンでのひとコマだった。この後、佃製作所の反撃が始まる。

●「成し遂げようとする夢の前では大企業も中小企業もない!」

 第5話、『帝国』の研究施設内でこぼれ出た佃の本音。燃焼試験で異常数値が出たことで、佃製作所のバルブシステムに問題があると帝国側から指摘される。3日間という時間制限のなか、佃製作所、帝国の社員総出で問題個所をイチから洗い直した結果、帝国の部品内に問題が発覚。

 バルブの先に設置されている帝国の製作したフィルター内に原因物質が見つかる。佃製作所のバルブに問題があると指摘していた富山は、自社開発の理念による判断だったと謝罪する。

 佃は「この3日間、一緒になって頑張ってくれた、帝国重工の研究員のみなさんのおかげで、答えを見つけだすことができました。富山さん、一緒にやらせてください。力を合わせて純国産ロケットを打ち上げませんか!」との言葉に帝国社員も拍手で応え、5日後の燃焼試験に合格したのだった。

●「賭けてみるか。どん底から這い上がった男に」

 第5話で杉良太郎が演じる『帝国』社長の藤間秀樹によるセリフ。無事、製品テストに合格した『佃製作所』のバルブシステム。燃焼試験でも見事に実験は成功したが、財前には最後の“壁”である藤間社長への説得が残っていた。

 帝国の役員会で、特許が先を越されていたことから、重要部品の自社生産方針を覆し例外を認めてほしいと話すと、藤間は「ありえん。話というのは以上かね」と席を立つ。すると財前は「社長!」と大きな声で歩み寄り語り出す。

 ほかの役員にも反対されるが、財前は「自分の手がけた部品でロケットを飛ばすことこそ、佃社長の夢だからです。バルブを制するものはロケットエンジンを制する。

 佃氏は、そのことを知り尽くした男です。世界最高のバルブシステムです。ご承認していただけませんでしょうか」。目をつむり、しばし考えた藤間は佃のバルブシステムを採用する決心をしたのだった。

「やりましょう、社長 私にとってのロケット……見つけました」

 第6話から“ガウディ計画編”に突入。『帝国』へ部品供給をしていることで高いブランド力を発揮し、3年間で業績が飛躍的に伸びた『佃製作所』。そんな中、人体に使用する人工弁『ガウディ』の開発をめぐり椎名社長(小泉孝太郎)が率いる『サヤマ製作所』との戦いが始まる。

 椎名の策略により、『日本クライン』社との契約を打ち切られた佃に、ロケット編で佃製作所を退社し『北陸医科大』の研究員となった真野が、医師・一村と『株式会社サクラダ』の桜田社長を連れて現れる。

 桜田は一村とともに人工弁ガウディを開発途中で、佃に協力を請いに来たのだった。1度は断った佃だが、真野の説得でサクラダの工場を技術部門の山崎、営業部門の唐木田と見学。そこでガウディ計画の志の高さに胸を打たれた唐木田が涙を流し、このセリフを発したのだった。