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 紅組が4年ぶりに勝利した大晦日のNHK紅白歌合戦。そんな中、舞台となったNHKホールでは、例年にない異様な事態が起こっていた。なんと、次から次へと、入場を断られる人が出ていたのだ。

「本当に目の前が真っ暗になりました。せっかく楽しみにしていたのに、最悪の大晦日になってしまいました」

 そう話すのは、NHK紅白歌合戦の入場券を手にした30代女性のA子さん。だが、彼女の入場券は、精巧に偽造されたものだった。

「私は早めの時間に会場のNHKホールに行きました。まずはハガキを警備員さんに見せるのですが、そこでは止められることはありませんでした。ですが、NHK職員の方がブラックライトを当ててハガキをチェックすると、その方があと2人の職員を呼んで詳しく調べ出したんです。そして、“これはNHKが正式に発行したものではないので、入場できません”と言われたのです」(前出・A子さん)

 彼女の入場券は赤字の上に透かしのような青いインクで住所と氏名そして“売買禁止”と書かれた文字も記載されている。本物と比べても、すぐに区別はできないほどだ。

 同じように偽造入場券だった30代男性のBさんは、異様な光景を目撃している。

「私も偽造であることがわかり、入り口で茫然と立ちつくしたんです。そうしたら、10分くらいの間に、3人の偽造入場券を持った方が来られたんです。中にはその場で泣き崩れる女性もいらっしゃいましたね。その場にいたNHKの方に聞いたら、すでに何十人もの方が偽造入場券を持って来られたそうです」

 過去にも紅白の偽造入場券が作られ、逮捕者が出たケースはある。だが、あるNHK関係者は戸惑いの声を上げる。

「ここまで大量に偽造入場券が出回ったのは初めてです。偽物のため入場を断った人は20人、30人ではきかなかったと思います。局内でも大きな問題になっていますよ」

 そこでNHKに被害の実態を問い合わせると、偽造入場券の存在は認めつつも、「警察の捜査に協力している段階であり、回答は差し控えます」と詳細は明らかにしない。