1月8日に自動車運転免許を更新された天皇陛下について、「高齢者講習にパスしたということで、陛下も自信をつけられ、美智子さまもお喜びになったことと思います」と話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡辺みどりさん。
「最近は陛下の物忘れのような症状が報じられることもありますが、80歳を越えてお忙しい日々が続けば、うっかりミスは誰でも起こりうることです。
したがって、今回の免許更新は陛下の能力や技量を確かめる“挑戦”という意味もあったのではないでしょうか」(渡辺さん)
休日に、皇居内のお住まいから1キロほど離れたテニスコートや、散歩をする東御苑に出かける際に、美智子さまを乗せ運転される陛下。
「陛下は原則、公道では運転されないことにしていて、皇居内は道交法で定める一般道路ではないので、厳密には免許は必要ありません。
しかし、必ず免許証を携帯していて、乗車してから免許を忘れたことに気づき、御所に引き返したこともあるそうです」(宮内庁関係者)
'92年3月には、国賓として来日したペルーのフジモリ大統領を助手席に乗せ、陛下のハンドルで当時のお住まいがあった赤坂御用地内を案内されたこともあったという。
天皇陛下をはじめ、運転免許証をお持ちの皇族方は少なくない。
「美智子さまは免許を取得されようとした時期がありましたし、長女の黒田清子さんは結婚の際に取得され、今でもマイカーで皇居に里帰りすることがあるそうです。
皇太子さまはお持ちでないようですが、雅子さまは皇室に嫁いだ後も静養先で『カローラⅡ』を運転されたことがありました。
秋篠宮さまは若いころに、黄色のフォルクスワーゲン『ビートル』に乗られていたことは有名ですよね。
次女の佳子さまが、お住まいの外の道路を、護衛車に囲まれながら運転されていたところを目撃されたこともあります」(皇室ジャーナリスト)
昨年12月のお誕生日の記者会見で、
「年齢というものを感じることも多くなり、行事のときに間違えることもありました」
と、自ら老いを認める発言をされた陛下。
年始の皇室行事や1月26日からのフィリピン訪問のご準備などでお忙しいなか、今回、免許を更新した「想い」とは─。
「美智子さまは20年以上前に、免許を取得しようとしましたが断念された過去もあるので、その気持ちをくんだ陛下の思いやりを感じることができます」
そう話すのは、冒頭の渡辺みどりさん。
『週刊女性』でも、'92年9月に《美智子さま 赤坂御所に作られていた─専用“自動車教習所”》と題して、当時57歳だった美智子さまが住んでいた赤坂御所の“ミニ教習所”で、仮免許まで取られたことを報じている。
「ご家族のおすすめもあって美智子さまは取得を目指しました。公道を走るつもりはなかったようですが、那須御用邸内でUターンするときに脱輪したこともあり、安全を考えて断念されたようです」(前出・ジャーナリスト)
美智子さまのそんな残念なお気持ちも胸に、陛下は免許の更新を続けられたのかもしれない。
渡辺さんは、さらにこんな見方もする。
「週末の御所内でのドライブは、両陛下にとって、とても楽しみにしている憩いのひとときだと思います。そんな美智子さまとの楽しみを、失いたくない陛下のお気持ちもあったはずです」
3年後に免許証を自ら返納する「自主返納」をすれば、身分証明となる「運転経歴証明書」が陛下にも発行されるはず。その後は、これを持ちながら美智子さまと仲睦まじく徒歩で、テニスコートまで通われるつもりなのかもしれない。