この春、天皇・皇后両陛下は奈良県の神武天皇陵を参拝される予定だという。また、当日は秋篠宮ご夫妻が同行すると見られている。一方の皇太子ご夫妻は東京にとどまられるそうだ。

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ご成婚の際は、髪をおすべらかしにして十二単で儀式に('93年6月)。今回の祭祀もこれに近い装束で臨まれる

「雅子さまはご成婚翌年の'94年以来、愛子さまは1度も神武天皇陵を訪問されていませんが、雅子さまの病気療養とは無縁ではないと思います。遠方ですし、伝統的な儀式や祭祀は、治療中の雅子さまには負担が重いからです」(宮内庁担当記者)

 そんな状況の皇太子妃雅子さまに、過度な重圧とならなければいいが……。

 東宮職関係者が、当日の皇太子ご一家の予定を話す。

「皇太子ご夫妻は、4月3日に皇居の宮中三殿の皇霊殿で行われる宮中祭祀のひとつ『神武天皇祭』で、両陛下の代わりに拝礼することになっています。

 雅子さまはご体調次第になると思いますが、今回は両陛下の代拝で、秋篠宮ご夫妻もいらっしゃらないので、責任は重大となると思います」

 療養生活が始まってから12年が過ぎた雅子さまはその間、「宮中祭祀」と呼ばれる皇室の伝統儀式に参列したのは2回のみといわれ、“苦手意識”を持たれているようだ。

 皇室制度史に詳しい京都産業大学名誉教授の所功さんが、その理由を説明する。

「古式の髪型や装束をつけて出られるのは、相当な負担になるといわれていますから、体調により出られるかどうかはわかりません。ただ、雅子さまは皇室行事や宮中祭祀について、無理解やアレルギーがあるというのは誤解だと思います。

 雅子さまは皇室の歴史や儀式についても、まじめすぎるほど突き詰めて理解しようと努めておられるそうです。そのため、本番で失敗してはいけないという緊張に襲われ、結局、参加できないということもあるようなのです」

 昨年は、両陛下から引き継いだ公務、海外訪問や園遊会の一部への出席など、負担が重いとされる仕事をこなされてきた雅子さま。

 今回の祭祀に参列できれば、「さらなる一歩」となる。

 その“鍵”となるのは、この春、学習院女子中等科3年に進学される長女の愛子さまだと、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡辺みどりさんはみる。

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雅子さまは、ご成婚1年後の'94年4月(写真)以来、神武天皇陵を訪問されていない

 愛子さまは、歴史大好きの“歴女”で、初等科時代には平安時代の藤原氏について、レポートを執筆されたこともある。

「愛子さまは、歴史の研究者でもある皇太子さまの影響か歴史がお好きなので、神武天皇のこともしっかりと学ばれるはずです。初等科6年のときには、学校の校内放送で伊勢神宮の式年遷宮について発表し、現地では内親王らしく緊張感をもって参拝されていました。

 4月3日は日曜日なので、お住まいから遥拝されるなどして、神武天皇への理解を深められるはずです。そんな愛子さまの姿を見て、療養中の雅子さまも励まされ、祭祀に参加することができればいいですね」