“ゲス不倫”報道の宮崎議員同様、『週刊文春』に金銭授受疑惑が報じられ、2月4日に開かれた晴れ舞台、TPPの署名式を前に大臣辞任に追い込まれた甘利明元経済再生大臣。
「刑事事件になるはずなので、特捜部の動きを待つしかない」(鳥越俊太郎氏)
大臣室などで現金50万円を受け取ったことなどを認め、汚職疑惑に発展するとみられるが、今のところ嵐の前の静けさか。
甘利氏の辞任後、メディアが一斉に世論調査を行った。内閣支持率は下がると見られたが、逆に上がった。
その背景を鳥越氏は「甘利氏は“自分は悪いことをしていないが、秘書のため泣く泣く辞める”とうまく演技で思わせた」と分析するが、お灸をすえられなかった自民党はさらに増長しつつあるという。
「今の安倍政権は完全にゆるみきり、驕り高ぶっています。もはや彼らに、反省も期待できない。体質は、おそらく変わらないでしょう。選挙はまだ先ですが、世論調査で彼らが焦るような数字が出てこなくては、何も動かない」
政権のシンボリックフレーズ、アベノミクスも、今年に入ってからの株価急落で、見るも無残なありさま。給料が少し上がったところで、物価と相殺すれば実質賃金は前年より下がり、生活は苦しくなるばかり。
そこに女性が気づき、政権を見限り始めたと読み解くのはジャーナリストの大谷昭宏氏だ。
「ANNの世論調査では、女性の75%が、“景気は上向きになっていない”と感じている結果が出ました。アベノミクスの恩恵のなさを見破っています。どんな世論調査も、女性の声から始まって内閣が倒れる傾向にあります。
内閣支持率は女性が44%、男性が56%。男女間に10%以上も差がついている内閣は、めったにありません。女性に見放されたらアウトです」
だからだろうか、「女性や育児を頑張る人の敵だとすぐわかることをしてしまった」と鳥越氏が指摘する宮崎議員は、法に触れる言動こそしていないものの、すぐに辞職に。
「甘利氏よりも支持率への影響が大きいと考えたからだと思います。次の世論調査で、女性の支持率が20%台に落ちたら、安倍内閣は危険水域ですから」(大谷氏)
所属議員の不祥事の積み重ね、株価の低迷に女性層は愛想を尽かしている。東北の復興や人口減少問題、非正規雇用の増加、広がるばかりの格差などは、
「目の前の課題をひとつひとつこなしていくことがいちばん大事」(大谷氏)