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「修養団」の記念行事には皇太子さまと出席し、笑顔で会場の壇上にもあがられた(2月7日)

 1月26日には羽田空港で、フィリピンを訪問する天皇・皇后両陛下のお見送りをして、30日にはお出迎えもされた皇太子妃雅子さま。

「例年に比べると、年明けの雅子さまのお出ましは増えているので、昨年のご体調のよさを維持されていると言っていいかもしれません」

 雅子さまの近況について、そう話すのは宮内庁担当記者。

「1月15日は、『国立オリンピック記念青少年総合センター開所50周年』などの式典に当日になって急きょご出席。

 2月7日には社会教育団体『修養団』の『創立110周年記念大会』にも出席され、年明けから昨年まではみられなかったお出ましの多さです」(同記者)

 今回のふたつのお出ましは、お住まいの東宮御所から車で10分ほどの距離で、長期療養中の雅子さまにとって負担が少なかったことも考えられるが─。

「どちらも、渋谷区の代々木にある『国立オリンピック記念青少年総合センター』で開かれましたが、雅子さまにとって“相性のいい”場所です」

 そんな見方をするのは、ある皇室関係者。

「雅子さまは、この会場で行われたさまざまな行事に参加されています。その中で印象に残っているのは'03年4月に行われた『子どもの読書活動推進フォーラム』でのスピーチですね」(同・関係者)

 今から13年前、長期療養に入る8か月ほど前の春に、このセンターにこだました雅子さまのお声─。

「子どもが絵本のページにうれしそうに声をあげたり、にっこりするのを目の当たりにするとき、幼い子は幼い子なりに絵本から楽しみを……」

 と当時、1歳だった長女の愛子さま(14)の子育ての様子を交えながら「おことば」を述べられた雅子さま。

 前出の関係者が続ける。

「このとき以来、雅子さまのおことばをお聞きする機会はなかったと思います。雅子さまは今回、当時を思い出し、同じ会場でご自分の声を伝えたいとお考えになったかもしれませんね」

 そんな「おことば」について、宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんはこう説明する。

「内容が決まるまでのプロセスはケースバイケースですが、通常の国内での式典ですと、主催者の希望をベースに、お述べになる方がご自身で推敲されます。その結果を宮内庁で確認させていただいた後、事前に主催者に伝えます」

 雅子さまは'02年を最後に記者会見もしておらず、お誕生日のときに「ご感想」を文書で出されるだけで“肉声”を聞く機会はなくなっている。

 さらに'09年に発表された両陛下の「負担軽減策」では、皇后美智子さまの『全国赤十字大会』などでの「おことば」もおやめになっている。

 皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさんはこう話す。

「特に赤十字大会でのおことばなどは、美智子さまが香淳皇后から引き継がれてきたもので、いずれ雅子さまがなさることです。

 美智子さまが皇太子妃のときには、香淳皇后の名代で出席し、おことばを代読されることもありました」