【タイムリー連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】TwitterやFacebookなどで友人たちの動向や最新のニュースを常にチェック、暇さえあればゲームをする……スマートフォンの普及とともに深刻化する“スマホ依存”。警視庁の調査によれば、スマホ依存度の高い小中高生のうち約2割が、「ネット上で知り合った気の合う人と実際に会った」と答えたという。子どもたちのスマホへの過度な依存と、見知らぬ人との出会いによって犯罪に巻き込まれる可能性。両者には強い相関関係があるとして語られる場合が多いが、フィフィはむしろ、考えなくてはならない観点は別のところにあるのだと指摘する。
スマホ依存の解決法は、スマホを遠ざけることではない
子どもたちのスマホへの依存問題がとりあげられるとき、ネット上で見知らぬ人とコミュニケーションをとったことによって遭遇するトラブルを危惧する声をよく耳にします。
もちろんネットを使えば、普段の生活を送っていただけでは知り合わない人と出会う機会が生まれることは事実。しかし、トラブルに巻き込まれる可能性は何もネット上のみにあるわけではなく、リアルな社会でもあり得ることです。
日本では“出会い系”という言葉もあり、ネット上で知り合ったり、恋人になることに後ろめたさを感じる傾向があります。しかし韓国などでは早くからインフラが整っていたこともあって、ネットで知り合った他者とコミュニケーションをとることにもっとオープン。
ここで重要となってくるのは、どのようにスマホを使いこなすのか、向き合うのかというリテラシーなんじゃないのかな。
子どもがスマホ依存だからといって、無闇にスマホを取り上げたり遠ざけたりするのではなく、リアルな生活を充実させるためのツールとして上手な使い方を教えること。そして、いかにこのリアルな社会が面白いかを教えることのほうが大切なのではないでしょうか。
警視庁の調べによると、スマホ依存とされる子どものうち約半数が「色々な人と知り合うのが楽しい」と答え、3割が「気が合えば会いたい」と回答したそうです。これはネットをリアルで繋がるためのツールだと認識しているということです。必ずしもネガティブにとらえる必要はないと思う。本当に重症なスマホ依存の人たちは、むしろリアルで他者と会うことを求めていないものです。
私はこの結果を聞いて、まだ子どもたちは現実の社会に期待をしているのだなと救われた気がしました。
むしろスマホへの依存問題が深刻なのは、子どもたちではなく、そのお母さんたちです。子育て中のお母さんたちは、時間はあるけれど自由に動けないという、スマホにのめり込みやすい状況下にあります。スマホに夢中になり過ぎるあまり、不注意による子どもの事故や不倫などの夫婦間のトラブルを招きかねませんから。
リテラシー教育を阻む、エロバナーの存在
そして、子どもたちにスマホに関するリテラシーを教えようとした場合、障がいとなるのがエロバナーの存在です。実生活を充実させるためのツールとしてスマホを上手く使って欲しいといくら願っても、TPOにも無関係に目に飛び込んでくるエロバナーの存在は、明らかにリテラシー教育を阻んでいます。
こうしたものは、もはや個人個人でどうにかなる問題ではありません。政府、行政が、早急に規制すべきことなのではないでしょうか。
《構成・文/岸沙織》