『仮面ライダー ゴースト』(テレビ朝日系・毎週日曜あさ8時~)で、天然でボケ担当のムードメーカー的な存在の大天空寺の住職代理・御成役を演じて注目を集める柳喬之。そんな彼も出演する仮面ライダー45周年記念超大作、映画『仮面ライダー1号』が今月26日から公開される。
そこで、御成役に決まるまでの経緯や作品の見どころを聞いた。
「最初は主人公・天空寺タケル役でオーディションを受けに行っていたんです。でもそれはダメで。そしたら、御成役のオーディションでまた声をかけていただきました。実は過去にもライダーのオーディションを受けたことがあるのですが、別の役で呼ばれたのは今回が初めてですね」
――主人公・タケルと御成ではキャラクターがまったく違いますが、気持ちを入れ替えるのは大変ではなかったですか?
「御成は面白い役だったので、ぜひ受けたいと思いましたね。僕自身、性格上あんまりヒーロータイプではないので、仮面ライダーという作品に関わることはできるのだろうか?と思っていたフシはあるんです。でも御成役のオーディションの話をいただいて、“こっちだ!”と」
――御成役のオーディションの際は、頭の形の良さをアピールしたと聞きました。
「オーディションでは芝居の審査もありましたが、質疑応答では頭の形の良さだけをアピールしていた気がします(笑)」
――実際に決まって、役作りで丸刈りになることに抵抗は?
「髪型にもともとこだわりはなかったですし、何より演じたいという気持ちのほうが強かったのでまったくなかったですね」
――でも今は特殊メイクとかCGのクオリティが高いので、地毛なのかどうかが一瞬ではわからないですね。
「演じているときに血管とかが浮き出たりするので、それで“地毛なんだな”と気付いてもらえるみたいです。撮影のときは毎朝、剃っていますね」
――自分で剃っているんですか?
「はい。監督から良い髭剃りをいただいて、それでやっています。その髭剃りのおかげでいまだにケガをしたことはありませんね」
――地毛は天然パーマなんですよね。
「今では丸刈りが気に入っていますね。友達も“今のほうがスッキリしていて良いね”と言ってくれますし。天然パーマは湿気とか天候によってクルクルになっちゃうから、大変なんですよ。だから今は本当に楽。どんなに風が強い現場でも衣装だけ気にしておけばいいし(笑)。お風呂の時間も短くなるなど、いいことづくめです」
――でもブログのタイトルは『パーマネント』のままですね。
「ブログを開設したときは、まさかこうなるとは思わなかったので、今となっては皮肉な感じもします(笑)。『仮面ライダー ゴースト』で僕を知ってくれたかたは、ブログのタイトルで爆笑してくれるみたいなので、これもアリかなと」
――爆笑といえば、御成のコミカルな演技もそうですよね。
「テンションの高さとか、話し方が時代劇っぽいノリだったりするので、最初の頃は意識して演じてはいましたね。でも今は馴染んでナチュラルに演じられるようになったと思います」
――ライダー作品はお子さんのファンが多いから、普段から気をつけないといけない部分も多いのでは?
「もともと品行方正に生きているので(笑)、特に今までとは変わらないです。急いでいるときでも信号は点滅したら渡らない……とか、より真面目にしなきゃなとは思うようになりましたね」
映画『仮面ライダー1号』では、初代ライダーの本郷猛がゴーストの天空寺タケルとその仲間たちと出会い、秘密結社ショッカーを裏切った新組織・ノバショッカーと戦う様子が描かれている。最新ライダーの出演者から見た、初代ライダーとは?
「平成ライダーはポップな魅力があると思うのですが、昭和ライダーは人間の暗い部分とかにも焦点を当てているというか。重厚なシーンも多いですよね。今回の映画でも『命とは?』を問う作品になっているので、撮影の前はコミカルなポジションの御成と作品のバランスが不安でした」
――試写会で拝見しましたが、御成は御成のままでしたね。
「重い芝居も多い中、僕は『ゴースト』の御成のままで演じさせていただいたのですが、プロデューサーさんにも“面白かったよ”と言ってもらえたので、この作品でも御成ならではの存在感は出せたと思います」
――今回の敵は『ゴースト』に出てくる眼魔ではなく、初代ライダーの敵・ショッカーと、そこから派生したノバショッカーです。
「初代の世界観にゴーストのメンバーが参加するという形だったので、新鮮であり面白かったですね」
――本郷猛役の藤岡弘、さんと共演した感想は?
「藤岡さんが大変重厚な空気感をまとってらっしゃって。現場でも『ゴースト』のみんなは、藤岡さんの存在感に飲み込まれないように必死でした。自分たちのお芝居で初代の世界観にぶつかることを意識していたので、『ゴースト』とはまた違った一面も見られると思います」
――撮影はドラマと平行して行われたのですか?
「はい。映画の撮影期間は1か月ほどだったのですが、御成のシーンは要所要所だったので、撮影に参加した日数はそんなに多くなかったです」
――あらためて映画『仮面ライダー1号』の見どころを教えてください。
「1号とゴーストの共闘シーンは、どちらのライダーファンにも楽しめるものになっていると思います。また『ゴースト』でキーとなるアイコンは、今回の映画でも大事なポイントになっているので、『ゴースト』ファンもワクワクできる作品になっていますよ!」
<プロフィール>
やなぎ・たかゆき 1990年8月6日生まれ。鹿児島県出身。身長185cm。'12年、舞台でデビュー。映画『神様のいうとおり』、『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』、ドラマ『仮面ティーチャー』、『デート~恋とはどんなものかしら~』などに出演。3月26日公開『仮面ライダー1号』初日舞台挨拶に登壇決定。
撮影/伊藤和幸