平均視聴率が20%を切ることなく、大団円を迎えた『あさが来た』からバトンを受け、4月4日から始まった朝ドラ『とと姉ちゃん』。ふたりの妹と母親を守りつつ、激動の昭和を駆け抜けるヒロイン・小橋常子を演じるのは話題作への出演が続く高畑充希。
「ヒロインは本当にずっと出ていて。撮影のスケジュール表に常子の“常”という文字が“常常常常……”って並んでいるんです(笑い)」
『ごちそうさん』でヒロイン・め似子(杏)の義妹・希子を演じ、一躍ブレイクした彼女。今回はあえて熾烈なオーディション(応募2564人!)に身を投じて、みごと“朝の顔”に。いわば、“女優人生を変えた朝ドラ”にヒロインとして帰ってくる。
「『ごちそうさん』のときは、スタッフさんたちと“終わったらごはんに行きましょう”ということもあったけど、今は行く時間がないんです。それがちょっと悲しくて……(苦笑)。セリフを覚える時間も足りないし、楽屋に戻る時間もないくらい。でも、ここの空き時間は何をしようとか一切考えないでいいので、それはいいかな(笑い)」
何事もポジティブに考えるところは、演じている常子と自分が共通する部分だそう。
「常子は何か起こったとき、どうにかなるって思うタイプなんです。私も最悪の場合をあまり考えないで、ノー天気に進んでいく部分は似ているかな、と思います。
でも、彼女は基本的に人のために、母親や妹たちが人生を豊かにするため、自分がどうすればいいかと考えて生きている人。私はもっと自分中心な部分もあるし(笑い)、自分がこうしたい、と動くことも多いので、常子の生き方を見ていて素直に尊敬します」
撮影が始まって約4か月。現場にもいい空気が流れているという。
「お正月の休み明け、現場で久しぶりに会ったとき、みんなで“正月にこんなことがあって”としゃべりまくっていました。かか(木村多江)も娘たちもすごい勢いで、まるで機関銃みたい(笑い)。何か、第2の家族になってきているな、という感じがしています」
彼女を取り巻くキャストは、大地真央や秋野暢子といったベテランたちがしっかりと脇を固めている。そして目を引くのが男性陣。
片岡鶴太郎や、ピエール瀧、そして『ゲゲゲの女房』以来の向井理も。しかし、“イケメン枠”ではなく、常子たちの叔父役で、ダメダメなキャラを演じるというから楽しみだ。
「キャラクターそれぞれがちょっと変だけど、悪い人はいません(笑い)。淡々とした日々の温かい雰囲気のストーリーなので、家族で朝ごはんを食べながら見ていただいて、“いいもの見たな”と思っていただければうれしいです」
撮影/佐藤靖彦