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 Amazonの動画配信サービス『Amazonプライム・ビデオ』で独占配信中の特撮ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』。主人公の水澤悠・仮面ライダーアマゾンオメガを演じるのが、歯科大に通う人気モデルの藤田富さん。

「『仮面ライダー』のオーディションは2回受けていたのですが、ダメで。だから、今回自分が演じられるとは思っていなかったので夢みたいです」

 子どもの頃、特撮モノが大好きだったという藤田さん。

「グッズを買ってもらって、よく遊んでいましたね。当時好きだったのは、賀集利樹さんと要潤さんが出演していた『仮面ライダーアギト』。今回、主演に決まったことで『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』を見直したんですけど、大人っぽい内容で。改めて『仮面ライダー』という作品の凄さを実感しました」

 今作は、『仮面ライダー』シリーズの中でも異色作として知られるシリーズ4作目の『仮面ライダーアマゾン』のリブート作。本家同様に、ひと味違う内容になっている。

「監督には“仮面ライダーをやると思うな”と言われました。実際、劇中では“仮面ライダー”という言葉は一切出てこないんですよ。1人の人間が、たまたま変身できるようになったという感じ。なので、僕も仮面ライダーを演じるというよりは、1人の青年・水澤悠として演じていますね」

 演じる水澤悠は、身体が弱く、家の外に出してもらえず、熱帯魚の水槽の手入れだけの日々……という、仮面ライダーらしかぬ役どころ。

「正直、僕も役の全貌がまだ分かっていない状態です。引きこもりの理由も、なぜか2年前からの記憶がなくて、研究者に管理されているんです。でも、ある日注射を打たなかったことで自分の野性が目覚めてヒーローに変身する……というストーリーです。

 僕も中学3年生まで88kgあったデブで、パソコン部で引きこもりっぽかったので、悠の気持ちは理解できる部分もありますね」

 撮影は今年の1月から開始。寒い中、野外での撮影も多かったそうだが、中でも苦労したのがアフレコ。

「“アマゾン”なので動物をイメージしろと言われたのですが、動物のような声を出すのは、ノド的にも表現的にも難しかったですね。野性らしさの中でも緩急をつけなきゃいけないから、かなり注意されました。アフレコって、こんなに大変なんだと実感しましたね」

 記者会見では、寒い中、共演者と暖房で温まっている時に距離が縮まったと語っていたが、現在はLINEグループを作るまでに。

「監督には “仲間意識とかいらないから”って言われていたので、当初は仲良くなろうという感じではなかったですね。でも僕は『駆除班』メンバーとの共演シーンも多かったので自然と交流も増えてきました。今ではLINEグループを作って、撮影中の写真などを送りあっています」

 連続ドラマは今回が初めてのため、撮影現場では驚きの連続だという。

「連続ドラマって、回によって監督が変わることを知らなかったので、まずそこに驚きました。あと東映制作なので、規模がデカいですね。撮影現場には、スタッフが70人くらいいたりするので、“これ、今日だけで100万円以上は確実にかかっているぞ”と思うとプレッシャーを感じますね」

 主人公を演じる上で心がけているのが体調管理。

「スタッフの数の多さを見ると、絶対、風邪はひけないなと思いますね。あと、最初は引きこもりで、その後、仮面ライダーとして戦っていくため、食事制限や筋トレをしたりして4㎏ほど落としました」

 演じている本人も先が読めない展開だと言う。

「1、2話は何も明かされないまま事件が起こるのですが、3、4話から予測できないような深い謎が解けていくという感じなので、1話たりとも見逃せませんよ」

 水澤悠を演じたことで、“人間とは何か?”と思うようになったという。

「悠は野性に目覚めたことで、いきなり変身してしまうので、“自分は何者なんだ?”と思いながら戦っている。でも、その悩みって悠だけのものではないと思うんです。だから、悩んでいる方にこそ、ぜひ見てほしいですね」

 東京医科歯科大学歯学部に通う学生でもあるが、将来のことはまだ未定だという。

「大学って何歳になっても通えるので、とりあえず大学は休学して、今は目の前の『仮面ライダーアマゾンズ』の撮影を一生懸命やろうと思っています。でも歯医者になることをやめたワケではなく、今できること、やりたいことをやっていこうかなと思っているだけで、5年後にはやっぱり歯医者になっているかもしれない。それは自分でもわからないですね」

 忙しい日々を過ごす藤田さんだが、息抜きの方法を聞くと意外な答えが。

「少女マンガが好きで、暇さえあれば電子書籍などで購入して読んでいます。気持ち悪いですかね(笑)。以前は少年マンガなども読んでいたんですけど、実写化がキッカケで原作を読むようになったら、少女マンガの魅力にハマってしまいました。ラブコメをよく読んでいたんですが、最近は泣ける系が好きですね」

 最後にこんなメッセージを。

「今は本当に芝居が大好きで、『仮面ライダー』という歴史のある作品を演じられることは光栄ですし、すごく幸せです。この作品で僕のことを知った方も多いと思いますが、これからも応援していただけたら嬉しいです!」

<プロフィール>

ふじた・とむ 1992年4月14日生まれ、東京都出身。東京医科歯科大学歯学部在学中。雑誌『Samurai ELO』専属モデル。