20世紀最大の未解決事件と言われる“三億円事件”をテーマにした、同名の大人気コミックの映像化『モンタージュ 三億円事件奇譚』。
2夜連続放送の超大型スペシャルドラマ(フジテレビ系)で、主人公の大和を演じる福士蒼汰と、幼なじみのヒロイン・未来役の芳根京子。
Q:お互いの印象は?
福士「第一印象は、すごく目がパッチリして大きい方だなと(笑)。急にパッとスイッチが切り替わる感じではなく、シーンの中にすーっと入り込んでいく女優さんだと思いました」
芳根「私は、背が高いなって」
福士「やっぱり、見た目からですよね(笑)」
芳根「はい(笑)。撮影中、福士さんがすごくフォローしてくださって、本当に頼りきってしまっていたので“すみません”“ありがとうございました”という思いです。
今回、幼なじみの役だったので、早く距離を縮めないといけないと思っていたんですが、私自身、かなりの人見知りなので、まず“申し訳ありません。私からは、あまり話せません”って、正直にお伝えしました」
福士「そう宣言されたので、なるべく僕も壁を作らないようにして、相手の壁も壊せたらいいなという思いで、自分から話しかけました(笑)。でも、僕も、昔は同じような感じだったので、気持ちはよくわかります」
Q:正義感があってキレ者の大和と、彼を支える未来。キャラクターは自分に近い?
芳根「未来のしっかりしたお姉さんぽい感じは、私にはないですね。いままで演じてきた役も“妹”キャラが多かったし、プライベートでも、周りの人から助けてもらってばかりなので」
福士「大和って、飄々としていて、何を考えているかわからないところがある。でも、意外と彼の気持ちがわかるんです。どんなことが起きても驚かずに冷静にいるところや、無駄に正義感があるところが自分と似ているから、わかるのかなと思います(笑)」
Q:お互い、大和、未来を異性としてどう思う?
福士「客観的にみると、ふたりってお互いが持っていない部分を補い合ういい関係なんです。そう考えると、大和と似ている僕にも、あれこれお節介を焼いてくる女性が必要なのかもしれないです(笑)。
実際に姉がいて慣れていることもあって、いろいろと言ってくれる女性のほうがいいなと思います。相手の話を素直に聞けるかですか? そうですね、理解ができれば。この時点で、素直とは言えないですね(笑)」
芳根「私は、大和みたいに、突然、ひとりでどこかに行っちゃうような、何を考えているかわからない男性は……。伝えてもらわないとわからないタイプなので、ちゃんと言ってほしいです。でも、もしかしたら、大和みたいに何も言わずに行動する人を好きになって追いかけちゃうことがあるかも。待って~って(笑)」
Q:いまのふたりの距離感は?
芳根「私、人見知りなわりには、いちど相手の隙間が見えると、そこからグイグイ入っていくタイプなんです(笑)。例えば“この人とはお互いに冗談が言い合えるな”ってわかると、いっきに近づいていく。ときどき、相手から“ウザイ”って言われちゃうこともあるくらいです(笑)」
福士「僕は、急にグイグイ来られるとビックリしてしまうかも……」
芳根「よかった! いまの私、マックスが100だとしたら、まだ20くらいのグイグイ感でお話しさせてもらっています」
福士「そうだったんですね!? まったく感じなかったです(笑)」
Q:大和には爪を噛むクセがあるけど、ふたりには?
福士「監督から役作りで唯一言われたことが“爪を切っておいて”でした(笑)。僕自身のクセは、口笛とか、口で音をマネすることでしょうか」
芳根「福士さん、周りの音、こういう撮影の機材の音なんかを再現するのがすごく上手なんですよ。私は、気づいたら、自分のひじを触っていることが多いですね。
小さいとき、母親のひじを触りながら寝ていたからだと思うんですが、落ち着くんです。人のひじでも、好みの感触があります。一緒に撮影することが多かった福士さんのひじは、まだ触ったことがないです(笑)」
Q:殺人容疑をかけられる大和と未来。もし、同じ目にあったら?
福士「大和と同じことをする気がします。追われるだけより、こちらからも行動を起こしたほうが精神的に楽になれると思うので」
芳根「福士さんみたいに行動したい気持ちはありますが、自分の力だけでは無理だと思うので(警察に)捕まりに行きます(笑)。“本当に私じゃないんです!!”って伝えるために」
Q:激しいアクションシーンもあったという撮影。印象に残っているのは?
芳根「いちど、心が折れてしまったことがあって」
福士「そうだ、あったね(笑)」
芳根「人を竹刀で叩くシーンがあったんです。未来は剣道の経験がある設定なんですが、私自身は、これまで人を叩いたことがなくて。相手が痛がることは本気の1回で終わらせようと挑戦したのに“もういちど!”って、NGが出てしまって。
自分なりにすごく頑張ったのにダメだったと思うと、本当に泣きそうでした。福士さんのアドバイスで、なんとか立ち直れましたが」
福士「人を叩くことを、本当に怖がっていたんです。だから、剣道をやっている女の子なら竹刀をこう振るんじゃないかな? とか、完全に相手に当てるんじゃなくて、ヒキを早くしたほうがいいのかもという、ちょっとしたことは伝えました。
僕も、あるベテラン俳優さんに小手をするシーンがあったんです。サポーターをしている腕に竹刀を当てればいいと言われていたのに、何度も手の甲にしっかり当ててしまって。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったのと、その方の優しい笑顔が、怖かったです(笑)」
芳根「私は、遠藤憲一さん演じる関口に追いかけられるシーンが、本当に怖くて、大絶叫で逃げました。ドラマの撮影が終わって、心が強くなったと思います!」
ドラマ『モンタージュ 三億円事件奇譚』(フジテレビ系)
前編:6月25日(土)夜9時~11時10分/後編:6月26日(日)夜9時~11時9分
ある日、高校生の大和と未来は、瀕死の老人と出会う。老人から「お前の父親は3億円事件の犯人だ。誰も信用するな」と告げられる大和。ほどなくして、父親が水死体で発見される。
それから7年後('16年)、大和と未来は身に覚えのない殺人の容疑者として追われることとなる。はたして、ふたりは事件の真相にたどりつくことができるのか。
世界文化遺産に登録された長崎県・軍艦島などで、ドラマの枠を超えた大規模ロケを敢行。迫力ある画面に、西田敏行、唐沢寿明、香川照之など、ずらりとならぶ豪華共演者たちの心理戦が光る。
撮影/廣瀬靖士