現在放送中のNHK大河ドラマ『真田丸』で演じる豊臣秀吉が素晴らしいと大絶賛されている小日向文世。
「週刊誌って、どこでネタを仕入れてくるんですか? 僕はね、Yahoo!ニュースやYouTubeをよく見ますよ」
と、持っていった週刊女性の表紙に並ぶ芸能ニュースの見出しを眺めてひと言。
パラパラとページをめくり、気さくに話しかけてくれた彼に思わず、「ご自分の名前で検索したりしますか?」と問いかけてみた。
「しますよ! 小日向文世で検索するとよく“ハゲ”とか出てくるけど、もうそれは慣れました(笑)。今の時代、リアルタイムですぐ書かれちゃうでしょ? 例えばドラマでも、つまらなければつまらないって。正直な意見が見られるからチェックするんです」
評判が気になると話す彼に、記者が「最高です!」と伝えると、その表情から笑みがこぼれる。実はこの取材の数日前にオールアップしたばかりだという。
「そう言っていただけてうれしいなぁ。三谷(幸喜)さんが本当に素敵な脚本を書いてくれたから、僕はあらためて、この役を演じられてよかったなと思っていたんです。でも、いつまでも秀吉にしがみついていても仕方ないですからね」
今年1月から、『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ系)のナレーションを担当。
「本当に僕でいいんですか? って思うくらい、うれしかったですよ。おヒョイさん(藤村俊二)のあとで賛否に分かれたみたいだけど、僕は本当に大好きな仕事。クビにされないかぎり死ぬまでやりたいです!」
どこか旅へ行くなら? と聞いてみると、こんな答えが。
「女房と、北海道に行きたいねってこの間ちょうど話したんですよ。最後に電車で旅行したのは、去年2人で行った伊勢神宮かな。遠出するのに憧れはあるんだけど、どうしても休みの日は家で台本読んじゃうの(笑)」
■最近はYouTubeで音楽を聴くのが好き
出演作の絶えない名バイプレーヤーの彼が、次に挑戦するのは、9月から上演される主演舞台『DISGRACED(ディスグレイスト)―恥辱』。約2年ぶりとなる舞台出演について、こう語った。
「どうしても、舞台の仕事を決めるときは慎重になりますよ。オファーをいただいても、すぐにやりますとは言えない。途中で“やーめた”ってできないですからね……もちろん映像でもできないけど(笑)。1度でも嫌だなと思っちゃったら、千秋楽までずっと拷問ですよ!」
ニューヨーク、ロンドンで上演され日本初上陸となるこの作品で、パキスタン系アメリカ人の弁護士を演じる。夫婦間、民族間の断絶を描き、“現代アメリカの縮図”とも言われている。
「この題材でピンとくる日本人は、きっと少ないと思う。宗教上の争い、人種差別や偏見、頭ではわかっていても肌で感じる機会が僕たちは少ないじゃないですか。題材として難しいなと思ったし、いろいろプレッシャーも感じたけど、最終的には脚本がおもしろいと感じた。だから引き受けようと決めたんです」
昨年の暮れから、少しずつセリフを頭に入れる作業をスタート。それこそ、『真田丸』やほかの作品の撮影と並行しながらの作業。一体いつ休んでいるのだろう。
「僕、休んでないんです。休みの日に何をしていますか? って聞かれるけど、ずーっと台本を読んでる(笑)。仕事から帰って、ゆっくりウイスキーを飲むことがリラックス法かな。あ、でも最近はYouTubeで音楽を聴くのが好き。この間は、八神純子さんと太田裕美さんの曲を何時間も聴いてました(笑)」
週に1度、観葉植物のゴムの木に水をやり、育てているミナミヌマエビの水槽をチェック。
「この間、生まれたばかりのちっちゃいエビがいたんですよ。それが可愛くてね、だから、飼い始めてからカップ麺のエビが食べられなくなっちゃったの! だからお湯を入れてエビだけ残します」
間髪入れず、「車海老なら食べられますけど」と話す姿がなんともお茶目。今やってみたいことは?
「最近、絵を描きたいなと思います。もともと学生時代に描いていたんだけど、今って簡単にTシャツが作れるって聞いていいな~と思ったんですよね。……あ! やってみようかな!? “コヒT”とか作ったら売れるかな?(笑)」
《出演情報》
●舞台公演『DISGRACED(ディスグレイスト)-恥辱』
東京公演:9月10~25日/世田谷パブリックシアター
名古屋公演:9月27日/日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
兵庫公演:9月30日~10月2日/兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
出演/小日向文世、秋山菜津子、安田顕、小島聖、平埜生成
演出/栗山民也
●ドラマ『グ・ラ・メ!~総理の料理番~』
テレビ朝日系 7月22日スタート(毎週金曜よる11:15~)
撮影/高梨俊浩