恋愛離れに車離れ、酒離れ、新聞離れ、ゆとり世代、さとり世代……。ありあまるパワーの塊のイメージなのに、とかく消極的でネガティブな傾向ばかり謳われる昨今の若者たち。そんな若者たちについて、脚本・演出家のジェームス三木さんに聞いた。
「独創的なことを避け、型にはまる若者が多いため、ロボットのような人間ばかりになってしまわないか心配。情報に対して“本当なのだろうか”といった観点を持たなくなってしまうのは危険ですよ」
遊び方についても、こう苦言を呈する。
「今の子どもたちは、公園に集まってゲーム機で遊ぶでしょ? それより鬼ごっこやかくれんぼのような、現実の空間で思考と肉体を結びつける実践的な遊びをしたほうが、人間としての生きる力、考える力が身につくと思う」
もっと恋愛をするべきだとも語る。
「若い人はもっと恋愛をしなさい。恋愛をしないというのは、生きる力や考える力を放棄することだと思うね。とっておきの言葉を教えましょう。気になる相手に“次に会ったときは口説いていい?”っていうの。これだったらスマートでしょ? この先の口説き方は、各自で考えてください(笑)」
<プロフィール>
じぇーむす・みき 1935年生まれ。脚本・演出家。大阪府立市岡高校を経て俳優座養成所入所。以後テイチク専属歌手などを経て脚本家に。'85年NHK連続テレビ小説『澪つくし』で視聴率55%を記録し日本文芸大賞脚本賞。『憲法はまだか』『存在の深き眠り』で放送文化基金賞脚本賞受賞。著書多数。