2004年の古希(70歳)のお誕生日の文書回答で、「伝統」と「次世代への引き継ぎ」について、
「お若いころより伝統を今にいかしつつ、時代の要請に応えていこうとなさる陛下のお気持ちは、いつか私のものともなって、このお気持ちをともにしつつ……」
と述べられた皇后美智子さま。
そのお言葉どおり、陛下に従いながら、美智子さまは伝統行事の宮中祭祀に熱心に取り組む一方で、自然災害の被災地では、被災者と同じ目線で慰問する“平成流”を確立された。
私生活でも乳人制度の廃止やプライベートキッチンの設置など、育児や家庭に関するそれまでの宮中の慣習を改められ、国民から多くの支持を集めることになった。
そして、7月13日に報じられた陛下が在位中に皇太子さまに皇位をお譲りする「生前退位」のご意向も、美智子さまはすでに了承されているという。
この夏、お出ましの面では、雅子さまは美智子さまの“流儀”を着実に受け止めようとされているようだ。
皇太子ご一家は、7月21日から1泊2日で、奈良県にある初代天皇とされる神武天皇陵をご参拝。京都大宮御所に宿泊し、翌日は京都御所を見学されてから帰京された。
「この4月に7年ぶりの宮中祭祀として、神武天皇没後2600年式年祭に参列した雅子さまは、'94年以来、22年ぶりの神武天皇陵のご参拝となりました。
ご夫妻には、以前から長女の愛子さまをお連れしたいというお気持ちがあり、愛子さまの夏休みの初日だった今回、訪問されることになったそうです」(宮内庁担当記者)
また、すでに「週刊女性」でも報じられているが、ご一家は、8月11日に長野県松本市の上高地で開かれる第1回『山の日』の記念式典にも、臨席を検討されているという。
■愛子さまにとっては初めての式典参加に
「『山の日』は今年から始まる国民の祝日で、愛子さまにとっては初めての式典参加となりそうです。
登山は皇太子さまが昔から趣味にしていらっしゃるので、雅子さまと愛子さまも那須御用邸でご静養中は、近くの山を散策されることもあります。ご一家にぴったりの新しい公務といえると思います」(東宮職関係者)
さらに、この夏は長野県の奥志賀高原での静養も検討されているという。
奥志賀といえば、愛子さまの春休み期間中の3月にご一家でスキーをされる場所というイメージが強いが……。
別の東宮職関係者が打ち明ける。
「ご一家は夏の奥志賀には、'09年に足を運ばれたことがあります。涼しい高原でハイキングやテニスをするにはぴったりの場所です。
上級者クラスのスキーの腕前をお持ちの愛子さまは、グラススキーに挑戦するおつもりかもしれませんね」
この夏のそんな皇太子ご一家の予定について、
「陛下の『生前退位』報道との関係性はわかりませんが、最近の雅子さまの動向は、着実に次の皇后としての決意を固められているとお見受けします」
と話すのは、ジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡辺みどりさん。
「歴史ある古都を訪問しながら、新しい公務にも挑戦されるのは“伝統を今にいかしつつ、時代の要請に応える”という美智子さまのお言葉どおりだと思います。
この夏のような頼もしいご一家の様子をみれば、美智子さまは安心して、お役目を次世代に託すことができると思います」(渡辺さん)
これから、さまざまな紆余曲折が予想される陛下の「生前退位」問題。
しかし、雅子さまは、美智子さまから伝えられた“新皇后”としての覚悟を深められ、活動の幅を広げていかれることだろう。