海に潜った気持ちで水中世界の旅へ

 大人も子どもも一緒に楽しめる夏の定番スポットといえば、やっぱり水族館!

「水族館はバーチャルな水中世界です。水の生き物が暮らす世界に、自分も潜り込んでしまったような気持ちになれるかどうかで満足度が変わってきます」

 そんな楽しみ方を教えてくれたのは、水族館プロデューサーの中村元さん。

「水槽は遠くから眺めず、最前列へ。目の前に水槽だけが広がる状態を作り、ダイビングしている気分で生き物に没頭するのがコツです。普通は、海の中でおしゃべりはできませんよね。でも、水族館なら水中で話している感覚が味わえる。素敵でしょ?」(中村さん、以下同)

 全部の展示を無理に見ようとする必要はない。まずは1周サラッと回り、2周目で気になった水槽だけをじっくり眺めるのが中村流の歩き方。

 親子で回るなら、子どもが同じ水槽の前で立ち止まっても急かさないこと。それがたとえ、どこでも見られる生き物だとしても。

「大人と子どもでは興味を持つ対象が違います。子どもが好む生き物はカメやカエル。絵本に登場する生き物が動く姿を初めて見る感動があるんです。好奇心を満たす楽しさを味わわせてあげてください」

テーマ別オススメの水族館ランキング

 水族館プロデューサーの中村さんに、3つのテーマ別にこの夏オススメの水族館を厳選してもらった。お出かけの参考にして。

【親子で楽しめる!】

1位:名古屋港水族館(愛知県名古屋市)

 意外と知られていないが、水量、広さが日本一。1日かけないと回りきれない。イルカを水中から見ることができ、親子で盛り上がれること間違いなし。

2位:アクアマリン福島(福島県いわき市)

 大水槽の前にお寿司コーナーを作り、その場で食べることも可能な食育展示が目玉。水族館の敷地内にビーチがあり、釣りも楽しめる。「生き物を食べて生きている」と実感できる水族館。

3位:北海道おたる水族館(北海道小樽市)

 水族館の敷地内にある「海獣公園」は、海を仕切っただけの豪快なプールでトドのショーやアザラシにエサをあげることもできる。

【大人が満足できる!】

1位:サンシャイン水族館(東京都豊島区)

 都心のビルの屋上にある「天空のオアシス」。空間にこだわった館内に、美しいアート作品のような魅惑の水槽がズラリ。まさに大人のための楽園です。

2位:海響館(山口県下関市)

 ペンギン好きならぜひ訪れたい水族館。自然の一角をごそっと切り出してきたような大きな水槽でペンギンをじっくり見られる。すごいスピードで潜るときにできる〝飛行機雲〟のようなジェット噴射は迫力大!

3位:加茂水族館(山形県鶴岡市)

 大人が大好きなクラゲ専門の水族館。直径5メートルのクラゲの大水槽を見るためだけに行っても価値があるほど。大人にしかわからない魅力を静かに堪能してみては?

【風変わりで面白い!】

1位:北の大地水族館(北海道北見市)

 冬になると凍る水槽、滝壺を下から見る水槽など「世界初」と言われる水槽がたくさん。名物「いただきますライブ」では、大きな魚が小さな魚をものすごい勢いで食べるライブを実演。命を奪って生きていることを実感できる。

2位:竹島水族館(愛知県蒲郡市)

 愛知県蒲郡市にある地元の小さな水族館だが、解説文をすべて手書きに変えたり、深海生物などのゲテモノをスタッフ自ら食レポしたり……。その取り組みが面白いと話題!

3位:すみだ水族館(東京都墨田区)

 東京スカイツリータウン内にオープン。プロジェクションマッピングと水槽をコラボし、アートの要素も盛り込んだ幻想的な空間を演出。異質さが際立つ近代的水族館。