7月29日に発表された陛下のご予定について、「"生前退位"に関連して8月8日ごろに、天皇陛下が自身のお気持ちを国民に語りかける機会が設けられることになりました」と説明するのは宮内庁担当記者。
陛下が12月のお誕生日の記者会見や式典の「お言葉」のとき以外に、広く国民に向かって考えを述べられることは異例となる。
’11年3月の東日本大震災から5日後の「お言葉」は、収録されたビデオメッセージを発表したものだったが、テレビ中継を通じての表明があれば、初めてのことに。
「7月13日に"生前退位"報道があった後、23日には皇太子さまや秋篠宮さまらとの昼食会。那須ご静養中の26日には宮内記者会との懇談もあったので、お気持ち発表についての言及があったかもしれません」(宮内庁関係者)
陛下が「退位」されることになれば、『皇室典範』など関連法の改正が必要になる。
「現在の憲法で、天皇は政治的行為が禁じられているので、今回の『お気持ち』は、慎重な内容になることが予想されます」(前出・記者)
そもそも今回の"退位"の意向については、陛下が美智子さまを日々の激務から"解放"して差し上げるため─という見方もある。
「今回の天皇陛下のご意向は、皇后陛下の体調を気遣われたというのも、ひとつの原因として考えられると思います」
と陛下の"真意"をくみとるのは、静岡福祉大学教授で近現代の皇室制度に詳しい小田部雄次さん。
「同じ行動をとってきたおふたりですので、天皇陛下の体調がよくても、皇后陛下の体調が悪いときもあり、そういう場合も出席せざるをえないときがあります。
これから、両陛下とも体調がよいという日も減ると思われるので、天皇陛下の配慮があったのかもしれません」(小田部さん)
前出・宮内庁関係者が、美智子さまの"満身創痍"ぶりを説明する。
「美智子さまは5年ほど前に右足の『下腿筋膜炎』と診断され、4年前には起床時に強い腰痛があることが発表されています。
3年ほど前から『頸椎症性神経根症』で、左肩から左手に慢性的な痛みがあり、公務を休まれることもありました。
昨年の夏には精密検査で、心臓の冠動脈に狭窄がある診断発表があり、現在のご体調は決して万全であるとはいえないと思います」
そんなお身体で陛下を支えながら、ほぼ同じ量のお出ましをする美智子さまへのご負担は想像にあまりある。
しかし、そんな美智子さまへの「思い」は発表では言及されないのではと、前出の小田部さん。
「皇后陛下へのお気持ちなど、プライベートに関することは、お話しにならないと思います。
そもそも、皇后が公的活動をしなくてはならない決まりや法律がないなか、多くの活動をされてきました。
それをやめてもらうために、退位されるという趣旨の発言はされないはずです」