今年から8月11日が、国民の祝日の『山の日』として制定されました。これを記念して、全国各地でさまざまなイベントも開催される。
また近年、女性の間で登山人口も増加中。“山ガール”なんて言葉も聞かれるようになって久しいけれど、いざ「山へ行こう!」となってもなかなか踏ん切りがつかないもの。「初心者だし、何がわからないかもわからない!」でくじけてしまう前に、日帰り・低山から始める初心者の山歩きについて、今回は、とことんプロからの生きた情報をご紹介。
まずは登山用品が充実しているアウトドア専門店『L-Breath(エルブレス)』のスタッフ、山口幸子さんに、登山グッズについて教えてもらった。初めに、何はなくとも一番使う「足」を守ってくれる、登山靴の選び方から。
「靴は“防水であること”が第一条件。あとは目的の山に合わせますが、低山であれば足首がガッチリ固定されるハイカットでなく、ミドルカットで大丈夫です」(山口さん)
それよりも重要なのはサイジングだとか。お店では足の計測をしてから0.5cm~1cmくらい大きいサイズのものを持ってきてくれるそう。登山向きの靴下をはいた状態で靴をはき、自分の指1本がすっと入るくらいの余裕があるものを選ぼう。ソールを入れることで微調整もできる。
そこでなるべく同時に購入したいのが登山用靴下。化繊・ウールのもので目的と好みに合わせた厚さのものを。「綿の靴下だけは避けたほうがいいです。乾きづらいですし、靴の中で擦れて破れることもあります」(山口さん)
上着よりもまず下着に気を配る
靴を決めたら次はウエア……よりも先に考えたいのは、実は「下着」。「実は一番気にしてほしい部分です」と山口さん。標高が上がるとともに気温は下がり、1度濡れたものはなかなか乾かず、簡単に着替えができないのが山。「汗冷え」は大敵なので、下着類は速乾性のあるものが必須。素材はやはり化繊かウールで、綿は乾きづらいため絶対NG。
また、ブラジャーについても胸の揺れを抑えてくれるスポーツブラのようなタイプのものを用意すると◎。発熱する素材を使用しているものは避けて。必要以上に汗をかいてしまい、やはり汗冷えを防ぐことができない。
近年、メジャーとなっているのが機能性タイツ。これをはくことによって、筋肉が固定され、疲れにくく、ひざや腰への負担を軽減する。こちらもお店の方に相談してベストなものを選んでもらおう。
上に着るものに関しても「暖かくて、速乾性のあるもの」がおすすめ。ゴアテックスなどの素材を使用したハイテク系登山用アウターはレインウエアとして兼用できるものもあり、ジャケットがわりに1枚持てば、荷物が少し減らせる。タイツの上にはくパンツやスカートは、ストレッチ性のあるものを。やはり、登山用だと安心だそう。
また、登山で気になるのは紫外線。標高が高いぶん太陽に近く、木がいくらあっても焼けてしまうそう。目を守るためメガネやサングラスも準備したほうがいいし、特に首・顔の紫外線対策にはぜひ帽子を。日焼け止めは汗で流れるので、こまめに塗り直せるように。また、夏~秋にかけては防虫対策もお忘れなく。
お次は荷物を入れるザック。15リットル~20リットルくらいの大きさのものを選んで。登山用であればウエストが固定されていたり、背中がメッシュになっていて快適なものも多い。
また、ストラップやウエストハーネスに小物入れがついていて、すぐ出し入れをしたいものや、キャンディーなど山の中でのエネルギー源となる「行動食」を入れるのに役立つものも。できれば、レインカバーもご一緒に。
このほかにも書ききれないほど登山アイテムはあるけれど、「どういう山に登りたいか、何をしたいか」を店員さんに積極的に伝えて、アドバイスをもらってみよう。