『真田丸』で秀吉の妻・北政所こと寧を演じている鈴木京香。
 
「三谷さんからは撮影の前“体重を10kg増やして”とリクエストされました(笑)」

 脚本の三谷幸喜からは“肝っ玉母さん”で演じてほしいと言われたという。

「打ち掛けを着ているので10kg増やしてもわからないと思いますと言ったら、“では顔だけ太ったようにしてくれればいいです”と。なので、極力撮影の前は水をたくさん飲んで、むくんだまま現場に行く感じでいいのか、とふざけてそんな話もしていました(笑)」

 今回、新たな秀吉像、と話題になった小日向文世との“夫婦”については、こう話す。

「小日向さんとは何度も夫婦役をさせていただいていますし、恋人役も1度あります(笑)。だから、寧という“妻”が私の中にすんなり入ってきて、演じているのがとにかく楽しかったです」

 そんな秀吉も、前回の放送でこの世を去った―。

「だから秀吉ロスというか、現場でも小日向さんがいないのが寂しくて(笑)。でも殿下が老いていく中、彼本来の姿とかけ離れてしまう前に天に召されたことで、少しホッとした面もあるかな、と。あれ以上、彼らしくないところを下の者に見せたくないという思いもあったと思います。

 ただ、殿下が亡くなる寸前のシーン見たら、私がこひさん(小日向)を見て笑っているように見えるところがあるんです。“あんなことやこんなこともあった”と、懐かしい思い出がいろいろ浮かんできたら、知らないうちに微笑みが浮かんできたんですけど、それを“腹黒い女だ”と思われたらイヤですね(笑)」

「殿下には、男女の嫉妬心というより“情”の部分が強くなっていたのかな」(鈴木京香)

秀吉本人(小日向文世)が語る、臨終シーンの裏側

「撮影は“臨終”のシーンが最後だったんです。前のシーンまで堺(雅人)くんの撮りがあったので、彼は残っていてくれるかな、と思っていたけど、早くに出番が終わった豊臣家の人たちもみんなスタジオに来てくれて……」

 そのときサプライズで、秀吉の顔写真をあしらった、小道具さん特製のお面や団扇を手にして入ってきたキャストを見て、当の本人は大感動。

「京香さんは、それを家にまで持って帰ってくれてうれしかったなあ。とっくに夜中を過ぎていたんだけど、みんなで乾杯しました」