8月22日(日本時間)、ついに閉幕したリオ五輪。天皇ご一家の近況について、
「天皇・皇后両陛下も皇太子ご一家も、お忙しい合間をぬって、テレビのニュースなどでリオ五輪での日本選手の活躍ぶりを見て、お喜びになっていたそうです」
と話すのは宮内庁担当記者。
日本勢のメダルラッシュに沸いたリオデジャネイロオリンピックだが、両陛下と皇太子ご夫妻は4年後を見据え、感慨をもってご覧になっていたかもしれない……。
約11分間の「象徴としてのお務めについての天皇陛下のお言葉」がビデオメッセージとして発表されたのは、大会4日目の8月8日。
皇太子さまは、公務先の名古屋駅の貴賓室内で、雅子さまと愛子さまはお住まいのテレビで15時からの放送をご覧になっていたという。
「お言葉の中で『生前退位』という言葉は出ませんでしたが、存命中に皇位を次の世代に譲りたいというお気持ちや、象徴天皇制への思いがにじみ出る内容となりました。
また、美智子さまやご家族を気遣う言葉もありました」(宮内庁担当記者)
憲法や皇室典範に規定がない天皇の生前退位というお気持ちの表明について、多くの意見が出されたが、
「今後の陛下の退位や、新天皇の即位の道筋を考えると、今回の陛下のお気持ち表明はギリギリであり、かつ絶妙のタイミングだったと言えるかもしれません」
と話すのは、宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さん。
「生前退位のための有識者会議やヒアリングを行うとなると、結論が出るまでに1年はかかると思います。年内に具体的に動きだしたとしても、来年はその検討期間になるでしょう」
山下さんが今後の見通しについて続ける。
「制度自体を変えるために皇室典範を改正するのか、今上陛下の退位だけを可能にする特別措置法を立法するのかはわかりません。いずれにしても、国会への提出は順調であれば2018年の通常国会ではないでしょうか」
しかし法案可決後、実際に陛下が退位されるのは、国民生活への影響を考えると数か月から1年は余裕をみるはずなので、'19年はご在位が続くのではないかと山下さん。
「そこで、'20年までに新しい御代になる可能性は高いと思います。'20年には、東京五輪も開催されます」─。
皇室と五輪の関わりは深い。4年後の東京オリンピック・パラリンピックといえば、3年前に高円宮妃久子さま(63)が、開催地を決定するIOCの総会でスピーチをされている。
「1964年の東京五輪のときと同様に、天皇が大会の名誉総裁になり開会宣言をされることになるでしょうが、御代がわり後であれば、日本の新しい天皇を国の内外に示すいい機会になるでしょう。
五輪となれば、世界各国から要人や王室の方も来日するでしょうから、ともに留学経験のある新天皇と皇后がどのような国際親善をされるのかも楽しみです」(山下さん)