真田信幸(大泉洋)の正室・稲(小松姫)を演じている吉田羊(C)NHK

 真田信幸(大泉洋)の正室・稲(小松姫)を演じている吉田羊は、『江~姫たちの戦国~』『平清盛』に続いて大河出演は3作目。

 脚本の三谷幸喜から直々にオファーを受けたという彼女。三谷といえば、役を当て書きすることで知られている。

「これだけ長く、役として人生を生きるのは初めてなので、“3度目の正直”じゃないですけど、稲さんという役をいただけたのがうれしかったですね。

 “今回、自分が作り出す世界は今までのものとはまったく違うものになるでしょうし、羊さんがやればそれが小松姫になるでしょうから”と言われました。

 吉田羊なら、一見クールで冷たいけれど、心の内に熱いものを秘めている、稲さんが持っている芯の強さや熱量を演じてくれる、と思ってくださったのならありがたいです」

 夫・信幸の大泉洋とはキャスト発表のときに“洋羊コンビ”で頑張る、と話していたけど、実際に夫婦を演じてみた印象は?

「夫婦漫才みたいな感じですね(笑)。お互い舞台経験者ということもあると思うんですけど、すごく波長が合っています。お芝居以外でもそうですし、雑談のときも打てば響く方なので、こちらが欲しいと思うツッコミを確実に返してくださるのは気持ちがいいです(笑)」

 信幸の離縁した元妻・おこう(長野里美)が、正室の侍女となって側にいる……。奇妙な“三角関係”、正室としてはどうなの!?

大泉洋にブチ切れたシーン

大泉洋演じる信幸とのコンビネーションは夫婦満載のようだと話す (C)NHK

「同じ女性としてはちょっと気にくわないところがありますね。大泉さんもひどくて、大地震が起きて、おこうさんと私を気遣ってくれるシーンのリハーサルで、私を見て“おこう!”って。私、“今、何て言った!?”ってブチ切れましたよ(笑)。

 そうしたら大泉さん“すごく素直に出ちゃいました。本当にすみません”と土下座していました。素直に出たことは、よけい腹が立ちますけど(笑)」

 歴史ファンが楽しみにしている“犬伏の別れ”はいよいよ次回放送(9月4日)にて。

『関ヶ原の戦い』を前に、昌幸(草刈正雄)、信繁(堺雅人)が石田三成(山本耕司)率いる西軍に、信幸は徳川家康(内野聖陽)率いる東軍にと、父子兄弟が離れ離れになる。

「敵味方に分かれたあと、沼田城を訪れた昌幸さんたちを、稲が城に入れずに追い返すシーンは、本当に切ないです。でも、センチメンタルに生きられない戦国の時代だったんだ、と思いますし、稲も切ないという感情に流されることなく強く生きたのかなって。

 夫の信幸さんが不在のとき、身内とはいえ敵を城に入れたら乗っ取られる可能性もありますよね。気丈に振る舞っていても、義理の父や兄を信じることができない苦しみはあったと思います」

“犬伏の別れ”後のくだりが、稲のいちばんの見せ場、と話す吉田。どんな凛々しい姿を見せてくれるのか、今から楽しみだ。