Twitterで離婚危機報道を否定した宇多田ヒカル 撮影/佐藤靖彦

 先日、離婚危機に陥っていると一部ネットニュースに報じられた歌手の宇多田ヒカル。元バーテンダーのイタリア人夫は結婚を機に仕事を辞め、妻の宇多田を支えているといわれています。

 この報道に対して宇多田はTwitterで、「私が人生のパートナーに求めるものランキングの最下位:経済力」と離婚危機を否定。

 続けて「経済力のある男性が優しくてかわいくて自分を一番に思ってくれる女性(経済力低め)を選んだってなんの不思議にも思われないのに、性別が逆になると問題があるかのように思うのは非常に非理論的だ。男の子って大変ね」と心境を表したことが話題になりました。

「“男性が稼がなくてはいけない”と思い込んでいるのは、ほからならぬ男性自身なのではないかと思うことがあります」と話すのはライターの仁科友里さん。

女性が嫌なのは“努力の無視”と“無関心”

 仁科さんはブログやTwitterで男女双方に向けた婚活指南を行い、今年8月に男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)を上梓。女性が本当に求めているのは“イケメン”ではなく“ホメメン”として、女性をホメる男性こそがモテると断言しています。

「女性に暴力をふるって無理やり働かせるヒモは、断じて許されません。しかし男性だからといって稼げる確証もない現代、男性に必要なのは、気持ちよく女性に働いてもらう、いい意味での“ヒモ力”なのではないかと思うのです。

 女性は愛するもののために奮起する性質を持っています。お金のない男性との結婚は“不幸”を連想させますが、女性が嫌なのは実は労働ではなく、“努力を無視”されることと“無関心”なのです」と仁科さんは言います。

 仁科さんがヨーロッパ在住時代に出会った日本人女性と現地男性のカップルも、女性が働き、男性は働いてはいませんが家事育児を引き受けるケースが多かったそうです。

「彼らは毎日妻をほめるだけでなく、記念日を大切にし、セックスも頻繁にします。夫のホメ対応で自信をつけた女性たちは起業して成功を収めていました。すると男性はますます優秀な妻をほめ、妻は奮起する、という好循環が生まれていましたね」(仁科さん)

 宇多田夫妻の場合もこのようにバランスのとれた関係なのかもしれません。

象徴的な「川崎希とアレク」の関係

 日本の芸能界でも、ほめる男性が高収入の女性や美女をゲットしていくケースは多いと仁科さんは指摘します。代表的な例としては、元AKB48の川崎希と夫でモデルのアレクサンダー。

 川崎はAKBを卒業後、アパレルブランドやネイル、エステサロンを経営し、年商は1億円とも。アレクサンダーは結婚当初は仕事をしていなかったため、ヒモ夫扱いでしたが、雑誌『婦人公論』(中央公論社)において、川崎は「アレクをヒモだと思ったことがない」と語っています。

 さらにアレクのいいところについて、「いつも機嫌がよくて、一緒にいると元気になれる。愚痴を嫌がらずに聞いてくれるところ、そして私の気分を敏感に察知してフォローしてくれるところ」と述べています。

 仁科さんは「仕事のモチベーションを上げてくれるアレクは、川崎にとって貴重な存在でしょう」と分析します。

「ホメニズム選手権」での濱口のすごさ

 イケメンでも高収入でなくても美女をゲットした例としては、よゐ子の濱口優が挙げられます。レギュラー番組が多いわけでもなく、イケメンでもない、『めちゃ×2イケてるッ!』の学力試験では最下位を記録するなど、おバカキャラとしても有名。

 しかし、歴代の彼女と言われているのは小倉優子、倉科カナ、藤崎奈々子など名だたる美女ばかり。現在の彼女は18歳年下の南明奈です。

 仁科さんが着眼したのが、『めちゃイケ』の「ホメニズム選手権」での濱口のすごさ。オアシズ・大久保佳代子のメイクの違いを3分以内に当てるという企画で、ナイナイ矢部、加藤浩次などはまるで気づかないか、気づいても口には出さないという対応です。

 しかし、濱口は開始46秒でメイクの違いに気づき、「いいんじゃない?」「女の人って感じがする」と感想を述べ、女性陣から絶賛されました。

濱口さんがしたことは、“違いを探して、口にしただけ”。それだけで、女性は“自分の努力が認められた”“この人は私をわかってくれる”と好感を深めるのです。

女性は不安を感じやすい

 女性は女性ホルモンの影響で、精神的に不安定な時期があり、さらに精神的安定をもたらすセロトニンが男性の3分の2しか作れないため、不安を感じやすいことが脳科学で証明されています。

 ということは、美女や高収入の女性にとって、中途半端なイケメンや張り合ってくるプチ高収入の男性より、自分の努力を認めて不安を和らげ、やる気を起こさせてくれるホメメンに、魅力を感じる女性は少なくないということです」(仁科さん)

 これからは、女性にモテるのは“ホメメン”、という時代になるかもしれません。

<プロフィール>
◎仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。自身のブログ、Twitterで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。2016年8月に男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)を上梓。