ʼ14年に公開され話題になった『超高速!参勤交代』が“リターンズ”となって帰ってきた。前回同様、弱小ビンボー藩の湯長谷当主・内藤政醇を演じるのは佐々木蔵之介。
「時代劇は僕が京都出身で、小さいころから東映の太秦の映画村に行ったりして、身近に感じていましたね。
この作品と出会って、時代劇というのはある意味、自由なんだと思えるようになったんです。実際の場面を誰も見たことがないから、思う存分やってもいいんだと。
参勤交代で関所を通るとき、チェックの目をくぐり抜けるために、案山子で人数を水増ししたとか(笑)。奇想天外なアイデアだと言えば、それもアリになるわけですよ(笑)。
あと、今回は最後に7人対1000人という戦いをやっていますけど、こういうチャンバラが醍醐味なんです。刀の斬り合いって、拳銃の打ち合いとはまた違って一手一手が“セリフ”になるから面白いんです」
佐々木は、実家が京都の造り酒屋で、芸名の“蔵之介”は、家業と大石内蔵助の名前をかけたもの。共演者たちともよく飲みに行くという。
「山形の庄内の撮影所で撮影したときはけっこう飲みましたね。撮影所からホテルに帰る途中に、西村(雅彦)さんと寺脇(康文)さんの行きつけのお店があって。あそこに行きつけがあるのもおかしな話ですけど(笑)。
昼すぎくらいに撮影が終わり、僕とおふたりと、深田(恭子)さん、(柄本)時生くんたちと一升瓶をガンガンに空けました。僕は飲みすぎて次の日の昼くらいまで全然ダメでした(笑)」
この日、深田は飛行機で東京に戻らなくてはいけなかったので、店から直接、空港へ向かったのだが、
「飲み足らなかったらしくて(笑)、撮影でお店に来られなかった伊原(剛志)さんと空港でも出発まで飲んでいたと聞きました(笑)。よく食べ、よく飲み、よく走りましたね」
出演陣も2作目ということで気心が知れ、前作以上にノッて、やりやすい現場だったと佐々木は振り返る。
「コメディーでもやりすぎだろう! ってくらい振り切りました(笑)。でも、時代劇の間口を広げ、少しでも敷居を低くできたかな、と僕らは思っています。ご家族で見て楽しんでいただければうれしいですね」
<作品情報>
◎「超高速!参勤交代 リターンズ」
金なし、人なし、時間なし、おまけに帰る城もなし!? 前作で湯長谷藩に打ち負かされた松平信祝(陣内孝則)の陰謀が、藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)たちに再び忍び寄る。絶体絶命の危機を湯長谷藩はどう切り抜けるか。9月10日(土)全国ロードショー