婚活相談を受け付けるライターの仁科友里さんのもとに、婚活女子から届くお悩みで断トツ1位が「レストランが決められない男性ってどう思いますか?」だといいます。
たとえば、男性のすすめる店が見つからず、ひたすら歩き回った。女性側からお店を提案すると否定ばかりで自分の意見は出さない。「イタリアンでいい?」と言われて連れていかれた店がファミレスだった……など、女性がお店でがっかりした例は数多いそうです。
男性から「なぜ、男が店を決めなければいけないんだ!」という怒りの声が聞こえてきそうです。しかし、男性向けの恋愛レクチャーも行い、『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』を上梓した仁科さんはこう解説します。
「女性は好きな人のために手間をかけることが愛情表現だと思っています。なので、男性が店を選ぶという手間をかけてくれないと、自分の思考回路からいって、“手間をかける価値がない=愛されてない”と感じてしまうのです。
これは男女どちらが正しいということではなく、単なる“違い”ですから、男性は『店を決めないと印象が悪い』と丸暗記してください。突然会うことになった場合以外は、食事をする店はあらかじめ決めて予約しておきましょう。お店によって女性はファッションを決めるので、店を決めないと、準備に支障をきたすのです」(仁科さん、以下同)
店を決めることに失敗した前述の男性には、ある特徴があります。それは、行ったことのない店に女性を連れて行こうとしたこと(行ったことがあれば場所や定休日は間違えない)、自分一人で店を決めたこと。
「おいしいという感覚は個人差がありますし、アレルギーがある可能性も考えると、やはり2人でどこにするか考えたほうがいいですね」
職場の親しい女子においしい店や行きたい店を教えてもらったり、営業マンに聞くのも手だそう。周りにそういう人がいないのであれば、料理のジャンルと食べられないものを相手に聞いて、食べログの評価が3点以上で探すのがベターとのこと。
店をだいたい絞り込めたら、女性に「この店でどう?」と意見を求めることが大事だと仁科さんは言います。
「女性に了承を求めた時点で共同責任になりますから、店がハズレでも男性側の責任にはなりません。女性側から『ここなんてどうですか?』と新たな提案があれば、素直にそこにしましょう。予約も必ず男性がしましょう」
飲み会での取り分け問題
では、複数人が参加する飲み会で女性が大皿料理を取り分けるシーンに遭遇したとき、男性はどう対応するのがベストなのでしょうか。
「たとえば職場の飲み会では自分の意志に関係なく女性は料理を取り分けますが、これはそうしないと『男を立てられない』『あの女は気が利かない』と言われるからであり、大概の女性は好きでやっているわけではないと思います。
ただ、たとえば職場の飲み会の場合は、親睦のための仕事と女性も割り切っているでしょうし、部長のような管理職と若手が同じ会費を払うということはないはずですから、負担は相殺されます」
会社の飲み会という時間の限られた、かつある程度オフィシャルな集いの場合、料理の取り分けは早いほうが、会の進行がスムーズです。取り分けが苦手な男性や、女性に「任せて」と言われた場合は、お礼を言って任せるのが賢明だと仁科さん。「役にたたなくてすみません」の一言を言うとさらに女性からの印象はアップするとも。
問題は同期との飲み会や合コンなど、身分がフラット、もしくは完全プライベートな場合。
「こういった場所で、料理を女性が取り分けるのは、“気が利く”印象を男性に与えたいからですが、参加している女性の中には、口には出しませんがその態度を「男に媚びている」と不快に思う人もいます。
取り分け派を「気が利くね」なんてほめてしまったら、アンチ取り分け派からは「女を下に見ている」「見る目がない」とブーイングが起きてしまいます。
それでは、取り分けたい派とアンチ派双方に波風立てず、自分の株を上げるにはどうしたらいいのでしょうか。
「言葉ではなく行動で返せばいいのです。つまり、『ありがとう、じゃ、次は僕がやるね』と声をかける。取り分けてくれた人だけにやるのではなく、近くに座るほかの女子にもしてあげるのがポイントです」
下手くそなのも、また一興。“女性に声をかけた”“実際にやった”という“実績”が一番重要なのです。
<プロフィール>
◎仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。自身のブログ、Twitterで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。2016年8月に男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)を上梓。