大河ドラマ『真田丸』はいよいよ天下分け目の関ヶ原を迎える。大谷吉継を演じる片岡愛之助に話を聞いた。
「三谷さんからは“すごく素敵に、カッコよく演じてください”とリクエストをいただいたのですが、それってどうやるんだろうと、ちょっと悩みましたね(笑)」
常に冷静沈着な言動で、三成とともに豊臣家の土台を支える大谷吉継。歴史好きな人には、覆面姿のイメージが強いけど……。
「僕も“覆面の人”という印象がありましたが、『真田丸』では病気を発症する前から描いてくださるということでありがたいなと。ただ、どんな本を読んでも彼についての資料があまりないんですよ。
なので三谷さんの書いた、非常にいい人で、的確な判断をして物事を俯瞰で見ることができる人、というキャラクターを大切にしようと。彼のキャラについて堺(雅人)さんとも話したんですけど、“いい人すぎて怖いよね”って(笑)」
物語の中で、いちばん時間をともにしているのが三成。山本耕史とは'04年の大河ドラマ『新選組!』の続編で'06年に作られた『新選組!! 土方歳三最期の一日』から10年ぶりの共演。
「すごく久しぶりなんで、同窓会みたいな感じでしたね」
新選組の副長・土方を山本、函館政府の総裁・榎本武揚を愛之助が演じたが、今回の刑部と三成の関係に重なるようにも見える。
「確かにかぶるな、という気はしましたね。『新選組!!~』の土方もですけど、耕史くんが台本どおりの三成なんですよ。そういう意味ではすごくしっくりしていますね」
刑部を演じると決まったとき、愛之助が楽しみにしていたのが関ヶ原のシーン。
「第1話のオープニング(大坂の陣)を見て、壮大なロケを想像していたんですけど……、まさかのスタジオ撮影でした。今回はドラマのために、歌舞伎の舞台のお休みをいただいていたので、ロケに行けると楽しみにしていたんですけど(笑)。
でも、関ヶ原の戦いで三成に加勢するのを決めたシーンが、刑部としてちょっとアツくなれる瞬間。病に侵され、生きも絶え絶え、目もかすんで見えない身体で思いを告げる三成とのシーンは、すごくピリッとしたものがありました」
娘・春役 松岡茉優からの“贈り物”
信繁(堺雅人)のもとに嫁いだ娘の春(松岡茉優)については、
「しっかりしている部分があるけど、思ったことをポッと口にしてしまう、両面を持った魅力的な娘。刑部には全然そういうところがないので、母親に似たのかもしれません(笑)」
父娘の共演シーンは決して多くはなかったが、松岡茉優との現場は和気あいあいだったそう。
「彼女から納豆クイーンになったと聞いていたんですけど、本読み(リハーサル)のときにたくさん持ってきてくれたんです。いっぱい積んである納豆を前に耕史くんと“ここで食べるのこれ?”って(笑)。結局、みんなで分けてお持ち帰りしました」