数々の汚部屋に潜入取材した実話系ルポライターの村田らむさんが、“汚部屋オンナ”たちの実態をご紹介!
なんと1000本以上のペットボトルが部屋を占拠
ゴミ質は悪くない、と当初聞いていた部屋。
ゴミ質の善しあしは、基本的に濡れているゴミ=悪、乾燥しているゴミ=よしとされています。濡れれば重いし、時間がたつと腐って異臭を放つから。
雑誌や衣類を片づけていると、突如2リットル入り烏龍茶のペットボトルが現れた。しばらくするとまた出てくる。すべて中身は茶色い液体。
ボクは掃除開始5分でその液体をかぶってしまったのですが……鼻をつんざくアンモニア臭。しょんべんの入ったペットボトル、略して『しょんペット』でした。
糞尿の場合は処理場が受け付けてくれないため中身を抜く必要があります。
200、300……結果、1000本以上のしょんペットが下のほうからも出てきた。尋常じゃない数なので、汚部屋になる前からペットボトルで用を足していたのでしょう。
掃除を進めていくと、歴代のゲーム機が出てきました。ゲーマーはこういうことをしがちだと聞きました。
結局、ここの家の住人はしょんペットに追いやられ、部屋にいられなくなって車の中で生活していました。
◎こんなオンナが住んでいる
・かなり太った看護師
・ゲームおたく
・しょんペットコレクター
恐るべしゴミのパワー、ゴミの圧で壁には大穴が!
依頼主はメガネをかけた高収入OL。
ココは玄関を開けたとたん冷や汗が出た現場。
ゴミが背の高さくらいまであって、しかも長年の蓄積で圧縮された状態。このゴミをよじのぼって上の隙間から中に侵入。
中に入ってもこの状態は同じで、ゴミの圧力によってトイレのドアは破損。圧がかかりすぎた壁紙は浮いてしまい、ベローンと垂れ下がっている。
奥のほうはもっとヒドく、エアコンの位置までゴミがたまっている。
とりあえずゴミを出しまくろうとすると「カメラがあるので絶対に捨てないでください」と依頼主の声が。カメラが趣味というが、この部屋のどこに保存しているのだろうか?
しかし、掘り進めていくと、かなり高額な一眼レフやらライカが出てきた。
ゴミが減っていくと、なんと壁には大きな穴が! ゴミの圧力で壁が抜けてしまったんでしょう。これには家主もびっくりしていましたね。
◎こんなオンナが住んでいる
・30代の稼ぎのいいOL
・物量が多すぎる
・高尚な趣味(カメラ)
・軽くうるさ型
◎取材/村田らむ
ライター、イラストレーター、漫画家。汚部屋やホームレスなど、ディープな潜入取材が得意。『孫の手』での体験をまとめた『ゴミ屋敷 奮闘記』(有峰書店新社)が発売中。
インタビュー・文/アリス美々絵