WHOによると、今年の世界保健デーのテーマは『糖尿病』。世界の糖尿病患者数は3億5000万人であり、今後20年で少なくとも倍増すると予想。
日本人はインスリン分泌量が少なく、かかりやすいとも言われている。気になった最近の糖尿病の話題を集めてみた。
「○年後に失明です」ビッグデータで合併症予測
糖尿病は「自覚するまでに7年かかると言われ、そのときにはすでに合併症を発症していることが多いのです」と医学ジャーナリストの植田美津恵先生が警告する。
悪化すると、足の切断や失明など恐ろしい合併症が待っている。そうなる前に、病気の自覚を促して悪化を防ごうと、進行や合併症のリスクがひと目でわかるシステムの実用化が進められている。過去の糖尿病患者の治療経過を集めた“ビッグデータ”をもとに開発されたものだ。
「このまま暴飲暴食を続けたら、数年後には足を失いますよ、失明しますよ、人工透析になりますよ、というリアルなデータを見せられる。そこで怖い病気だから気をつけよう、という自覚が早く生まれると思います」(植田先生、以下同)
太ってなくても油断は禁物
太っていると糖尿病になりやすいってホント?
「見た目の判断に頼るのはNG。体格を表す目安としてBMI(ボディマス指数)がよく使われますが、最近は、これだけで糖尿病のリスクを判断するのは難しいとされています」
BMIだけでは代謝の問題を見落とす、と指摘するのは米クリーブランド・クリニック。またアジア人の場合、標準体重の範囲に収まるBMI22~25でも欧米人に比べてリスクが2倍になると報告している。
「見た目が太っていなくても油断は禁物です」
草食男子は糖尿病リスク大?
男性ホルモンの『テストステロン』が少ないと、2型糖尿病になりやすいという報告が。オスの匂いがしない草食男子は、いかにもヤバそうだけど?
「テストステロンが少ないことが草食男子かどうかは別として、テストステロンが少ないマウスに脂質や糖質の多い食事を与えると、インスリンの分泌量が少なくなり、糖尿病につながることが米大学の研究で明らかになっています」
筋トレで増えるとも言われるテストステロン。糖尿病予防に、ダンナのマッチョ化計画を進めなきゃ!
寝不足でも寝すぎでも、男性はリスクが高くなる
寝る子は育つというけれど、寝すぎるダンナは糖尿病になる!?
オランダ・アムステルダム自由大学医療センターの研究によれば、1日7時間の睡眠を平均として、それから寝不足でも寝すぎでも、男性の糖尿病のリスクを高めるという結果に。
「でも、女性の場合は寝不足や寝すぎでも糖尿病のリスクに特に影響しないようです」
自転車乗りは糖尿病知らず!
南デンマークの中高年を対象にした研究によると、習慣的なサイクリングは糖尿病を予防するそう。
「毎日の通勤や買い物で自転車に乗る習慣をつければ、手軽に運動効果が得られるのでは?」
◎植田美津恵先生/医学博士。医学ジャーナリスト。首都医校(東京)教授。医学番組の監修、テレビコメンテーター、講演活動をこなす。著書に『忍者ダイエット』(サイドランチ)ほか