アニメ映画『アングリーバード』で、怒りを抑えきれない怒りんぼうの主人公・レッドの吹き替えを担当した坂上忍。
「アニメとSF作品は少し前まで、非現実的だからという理由で見ていなかったんです。でも『カールじいさんの空飛ぶ家』('09年公開)をたまたま見たら、泣いちゃって。
海外のアニメって、ファミリー向けの作品でも皮肉っていたり、美しいだけで終わらせない。そこから食わず嫌いはダメだなと反省しました」
出演中の『バイキング』(フジテレビ系)では、騒動を起こした有名人などにはストレートに怒りをあらわにするだけに、怒りんぼうな役どころはピッタリ。
「思ったことは言うタイプなので、ストレスはたまるようでたまらないですね。最近イライラしたのは、今回のアフレコ。鳥のキャラクターなので、人間の間合いと違って息継ぎができないんですよ。
また、ノッてきたなと思ったところで、カットの声がかかるからテンションもキープできないし……。でも、怒っているキャラクターだったから結果オーライだったかも(笑)」
劇中のレッドは、伝説のヒーローを探す旅に出かけるが、坂上にとってのヒーローとは?
「高倉健さんですね。共演はかなわなかったのですが、よく行くご飯屋さんが一緒だったんです。店でお会いすると、健さんが毎回僕の分まで払ってくれていたんですよ。健さんのような方を見ると、偉い人ほど偉ぶらないんだなと実感しましたね」
ちなみに、旅に行くならどこに行ってみたいですか?
「ドバイには行ってみたいですね。カジノがあるところにしか興味がないので(笑)。ラスベガスも行きたてのころは“ここで死んでもいい”と思っていたのですが、タバコも吸えなくなっちゃったし、最近そこまで思わなくなってしまったので。ドバイなら、心底ろくでなしになっても大丈夫そうだなって(笑)」
このコメントからもわかるとおり、芸能界きってのギャンブル好きとしても有名な坂上。毎年、稼いだギャラを年末のボートレースにつぎ込むことを公言しているが、収支のほうは?
「実は一昨年の年末の大きなレースで、かなりの額を稼がせてもらったんです。そこからしばらく仕事での記憶がないぐらい(笑)。
さらに去年の年始も同じぐらい大勝ちしまして。ギャンブルで勝っても負けても引きずらないようにしていたのですが、立て続けに大勝ちしたことで調子に乗ってしまい、やらないと決めていたネット投票に手を出してしまったんですよ。そしたら、勝った分どころかギャラもなくなるぐらい負けてしまいまして(苦笑)。
映画もそうですが、何でもスマホですませたらダメだなって身をもって痛感しましたね(笑)」
映画はもちろん、知人の舞台も自ら足を運び自腹で見ることを心がけているそう。
「身銭を払っているからこそ正直な感想が言える。招待されて見たら文句は言えませんからね。だから、この映画も公開されたら絶対に自腹でまた見に行きます。
今はネットやDVDで気軽に見られる時代ですが、映画館の音響や大きなスクリーンで見たほうが面白さが倍増すると思うので、ぜひ映画館に足を運んでほしいですね」
今回の映画は、同じギャンブル好きにも見てほしいと語る。
「怒りんぼうでヒネくれているレッドが、バードアイランドの人たちを繋いで、ひとつにしていく……という、わかりやすいストーリーになっています。
人間っぽくて深みがある作品なので、お子さんはもちろん、歪んだ大人にこそ見てほしいですね。ボートレース場にいる人たちとか(笑)。そうそう、平和島ならレース場の横に映画館もありますしね(笑)」