朝ドラ『ぺっぴんさん』でヒロインを演じる芳根京子 撮影/廣瀬靖士

 10月3日からスタートする朝ドラ『ぺっぴんさん』で主人公のすみれを演じる芳根京子。ドラマは実在する子ども服の専門店の創業者をモデルにしたフィクション。

「4月から刺しゅうとお裁縫、所作のお稽古を始めて、5月末から撮影が始まって約4か月。やっとみなさんに見ていただけることが、ものすごくうれしいです」

 今も刺しゅうや裁縫の稽古を撮影の合間にしているという彼女だが、もともと手芸には慣れ親しんでいたという。

「2年前に亡くなった祖母は、手芸が大好きで北海道で刺しゅうやパッチワークの先生をやっていました。だから、夏休みの自由研究などで一緒に作ったりしていたんです。

 いちばん感動したのは全部手縫いのパッチワークで作ってくれた、大きなキルトのベッドカバーです。今は東京の家で毎日ベッドにかけて使っています」

実はかなりの負けず嫌い

「共演している同世代の方たちには負けたくない」と話す芳根京子 撮影/廣瀬靖士

 ドラマでは2週目でいきなり結婚・出産。時代は戦争の真っただ中へと移っていく。自分が経験のないことを芝居の中で表現しなくてはいけない。

「チーフ演出の方からクランクインする前に、自分より年上の方の“年表”を作ってきてという宿題が出まして。東京で一緒に住んでいるおばあちゃんに話を聞いたんです。

 生まれた日から、いつ東京に来て、戦争が始まったときはどんな生活をして……。そこで作ったおばあちゃんの年表を通して、ヒロイン・すみれが生きる時代が見えてきた気がしました」

 いろいろな準備をして取り組んだ役。芳根は自分が感じたすみれの印象について、

「すごく強い女性だな、と日々演じていて強く思います」

 と、話す。だが、自分自身もかなり負けず嫌いのようで……。

「同じオーディションを経てここに立っているからなのかもしれませんが、今回、共演している同世代の方たちには負けたくないという気持ちがすごく強くて。やっぱりこの人だからヒロインなんだ、と思われたいですし」

「私の身体の80%はトマトでできている」

トマトが大好きだという芳根京子 撮影/廣瀬靖士

 こんな強い気持ちを持っていても、素顔は19歳の女の子。好きなことは食べること! という彼女の大好物は?

「トマトならいくらでも食べられます! 大きいサイズを何もつけずに生のまま、がいちばんですね。私の身体の80%はトマトでできている、というくらい小さいときからトマトを食べて生きてきました(笑)」

 朝ドラならではの、長期間に及ぶ撮影。“チームべっぴんさん”は、どんなチーム?

「これだけ長い間、同じ役を演じるのは初めてですし、不安はヒロインに決まった直後はありました。

 でも、スタッフさんたちや共演者の方々とたくさんお話しできる期間が2か月弱あったので、グッと距離が縮まって安心感が生まれました。だから“私全開!”で、素の自分でいられる最高のチームです!」

<プロフィール>
◎芳根京子(よしねきょうこ)
1997年2月28日生まれ。スカウトされて'13年、女優デビュー。'15年、『表参道高校合唱部!』でドラマ初主演。朝ドラ出演は2回目で、'14年放送の『花子とアン』では蓮子(仲間由紀恵)の娘・宮本富士子を演じた。『まれ』から4作連続でオーディションを受け、応募2261人からヒロインの座をつかんだ。

<作品紹介>
◎『べっぴんさん』
昭和9年、坂東すみれ(子役・渡邉このみ)は、繊維会社を営む父・五十八(生瀬勝久)と姉・ゆり(子役・内田彩花)とともに、山の上に新築した新居に引っ越してきた。病院で療養している母・はな(菅野美穂)を元気づけるため、すみれはハンカチに刺しゅうをするが……。