ツイッター上で多くのフォロワーを抱え、発言に影響力のあるツイッターユーザーのことを“アルファツイッタラー”という。

《今、コブクロの小さい方が「涙という字には『戻』、泣くという字には『立』が入ってますよね。きっと、人は立ち戻るために泣くんですよね」みたいな話をしてて、ああ、私はコブクロのこういうところが大嫌いなんだ、って再確認しました》

 このツイートをきっかけに話題となった、“深爪”さん。現在11万人以上のフォロワーを抱え、芸能ネタやドラマへの鋭いツッコミに人気急上昇中。その人気は電子書籍を発売するまでとなった。ツイッターでは明かされていないその素顔に迫るため、深爪さんに会ってみた。

“深爪”さんの電子書籍。左が『深爪な愛とセックスのはなし』、右が『深爪な家族と人生のはなし』

──電子書籍の2作目『深爪な家族と人生のはなし』では、よりパーソナルな知人や旦那さんの話が出てきていますが、周りの方からの反響は?

「夫は、ネット上で匿名で何かをすることをめちゃくちゃ気持ち悪がる人なので、やめてほしいと言われていたんですけど、電子書籍を発売したりしてお金が発生するようになってからは『ぜひとも養っていただけるレベルまで頑張ってほしい』と言われるようになりました(笑)。彼は私にあまり興味がないのでツイートを見ていないとは思いますが、見られている前提で書いていますよ」

──過激な話をツイートしているので、直接お会いするのは難しいと思っていましたが知的できれいな方で驚きました。

「いえいえ、私なんてただのババアですよ(笑)。直接お会いすることに抵抗なくはないですけど、何事も経験なので。ただ、リアルの友達で1人だけアカウントを教えている子がいるんですが、普段のままだねって言われるのであんまりギャップはないんだと思います」

──好きなブロガーやコラムニストはいますか?

「ナンシー関さんが好きだったので、ご健在のころはずっとドラマコラムやテレビコラムを読んでいましたね。最近はテレビコラムというとナンシー関さんを意識している人が多く、どうしても比較してしまうので読んでいないです。彼女を超える人はいないですね」

──深爪さんといえばコブクロをいじるネタが有名ですが……。

「コブクロが嫌いなわけではないんです、むしろ面白いと思っていますよ! テレビに出てると“ネタにできるかも”と思って見ちゃったり。本当に嫌いだったら書きたくもないし怨念が出ちゃうから笑えないと思うんですよね。笑えない悪口ってただただ嫌な気持ちになるので」

フォロワーには数々の有名人が

──深爪さんのフォロワーには、GLAYのHISASHIさんなど数々の有名人がいらっしゃいますよね。

「たまたま、『HISASHIさんが深爪さんをフォローしてますよ』とフォロワーの方に教えていただき、気づいたんです。マジシャンのふじいあきらさんや、高須クリニックの高須院長、スピードワゴンの小沢さんなどもいらっしゃるのですが、毎日200人にフォローされて、100人にリムーブされるみたいな感じなので、誰かに教えていただいたり、ご本人にリプライをいただいたりするでもない限り、自分では全然気づかないですね」

──俳優の佐藤二朗さんは深爪ファンと公言していましたが、絡みは?

「この間のトークライブでそう仰っていただいたようですが、私は佐藤さんにはフォローされてないです。『きわどい内容もあるゆえ、あまり深く関わらないようにしていますが、応援しています』というありがたいメッセージをいただきましたが、おそらくご自身のタイムラインをシモネタで汚したくないんだと思っています(笑)」

※写真はイメージです

──自分宛のリプライは見ていますか?

「リプライは拝見していますが、多すぎてすべてにお返事することは不可能なので、『いいね』で感謝の気持ちを表しております」

──今までで印象的だったリプライは?

「『久しぶりに痴漢にあったが、ババアに手を出すくらい飢えていたのか』とツイートをした時に『あえてブスやババアを狙って反撃されないようにするやつもいるみたいですよ』と親切に教えてくださった方がいらっしゃったんですが、膝にキました。

 傷つける意図のないのが一番ダメージ受けますね。明らかに攻撃的な人は気にならないですけど、善意の人は複雑です。友達の話をツイートしたら『深爪さんにも友達いたんですね』とか(笑)」

──日常のオモシロネタはどこで見つけていますか?

「違和感を感じるものに理由を探すのが好きなんです。偶然、目に入ってくるものが多いですね。前に見た『エメマンコーヒー』の中刷り広告に『豆』『マン』『手摘み』のワードが並んでいて気になったり(笑)。

 普通の人は思わないところも、大体“シモ”に持っていきますね。真面目な話をしていても、結局は下ネタになったり」

──好きな芸能人は?

「マツコ・デラックスさんはテレビに出ていると見ちゃいます。公平なところが魅力的。有吉さんやナンシー関さんもそうですけど、毒舌と言われる人は水面下ですごく気を遣ってよく考えているというところを尊敬しているし見習いたいですね。

 毒舌は、ひとつ間違えると相手を傷つけるだけなので。そういった方たちの真似をしているわけではありませんが、この言い回しいいなあと思ったものが自分の中で蓄積されて、何かを表現するときに自然と影響を受けているところもあるのかもしれません」

<プロフィール>
ツイッター(@fukazume_taro)の他に、「下品な仮面を被った秀逸で鋭いコラム」がウェブサービス『note』で大人気の「深爪(note.mu/fukazume_taro)」。今年5月、1作目の電子書籍『深爪な愛とセックスのはなし』を発売後、各方面から大反響が起こり、現在、読者待望の第2弾『深爪な家族と人生のはなし』がAmazon(Kindleストア)をはじめ、主要各電子書籍書店にて配信中。さらに今年11月2日、初の紙書籍『深爪式 声に出して読めない53の話』(深爪著 1200円・税別/KADOKAWA)も発売決定。現在予約受付中。