今月2日、22日から始まるグランプリシリーズの記者会見で「ほかの(4回転の)種類も挑戦したいです。4回転ループを試合に出られる確率まで上げて、試合で成功させるようにしたいと思っています」と語った宇野昌磨。
今年4月の『チームチャレンジカップ』で、国際スケート連盟の公認大会では世界で初めてとなる4回転フリップを成功。この偉業は世界ギネス記録にも認定された。
「記者会見の前日に開催された『ジャパン・オープン』では、冒頭に4回転フリップを成功させました。しかも加点がつくほどの美しいジャンプ。さらに、非公認ながら自己ベストを8点以上も上回る好スコアで日本の2連覇に貢献しました」(スポーツ紙記者)
どうしても、ギネス認定の“大技”が注目されがちだが、宇野はジャンプだけではないと語るのは、フィギュアスケートインストラクターの村主千香氏。
「『ジャパン・オープン』の試合を見ると、4回転フリップという新技に加え、スケーティングや表現力にも磨きがかかっているなと感じます」
それもそのはず、この夏に猛練習をしていたのだ。
「シカゴで2週間にわたる強化合宿をしていました。演技内のジャンプをすべて4回転に変えて練習を行うなど、体力強化も図ったそうです」(フィギュア関係者)
着々と力をつけている宇野の魅力とは、いったいどのようなところなのだろうか。今シーズンは、彼が敬愛する髙橋大輔が得意とするタンゴ調の曲でフリーを戦うのだが、
「しなやかな動きにプラスして男らしさ、男性の魅力をうまく表現したプログラムだったと思います」(前出・村主氏)
さらに元フィギュアスケート選手で解説者の佐野稔氏も、
「見た目は可愛らしいのですが、氷上ではパワフルなスケートをするんです。身体つきもしっかりした感じではないのにスケーティングもうまい。そんな見た目とのギャップに魅力を感じている人は多いと思います」
しかも彼は、3種類目の4回転ジャンプである“4回転ループ”も練習中だというから驚き。“絶対王者”の羽生結弦に、実力的にも近づいているのは間違いない。
「羽生選手は4回転ジャンプを3種類持っていますが、宇野選手が3種類の4回転をそろえれば、羽生選手にとって最大のライバルになりえます」(前出・佐野氏)
先輩の背中を猛追する宇野の技術面に関して、前出の村主氏はこう分析する。
「もともと、伸びのあるスケーティングをする選手でしたが、ステップでも深いエッジワークを使えるようになっています。
技と技の間のつなぎの部分でも年々、観客を魅了する力が評価されていると思います。それが“ファイブコンポーネンツ”という演技構成点の評価にもつながっていますね」
グランプリシリーズの成績上位者だけが進める“グランプリファイナル”では、今年も羽生との直接対決を見られる可能性が高く、楽しみ!