現代のリアルな就活生の姿が描かれた映画『何者』(10月15日より全国ロードショー)で、主演の佐藤健は“冷静分析系男子”の拓人を演じた。
「この映画は、“前を向ける内容だった”という人もいれば“絶望的すぎて見ていられなかった”という人もいて。感じ方がそれぞれまったく違うらしいんです。いろんな感想を聞くことができるので、すごく楽しいですね」
力強い眼差しと少し上がった口角で、そう話す。原作は、平成生まれの作家・朝井リョウの直木賞受賞作。
「もともと朝井くんとは友達で、映画化されることは知っていました。まだ何も決まっていないときに“もしオファーが来たらどうする?”って冗談まじりに聞かれて、僕はあんまりいい返事をしなかったらしくて。……これはよく覚えてないんですけど(笑)」
実際に模擬面接や筆記試験など、就職活動を体験してから撮影に挑んだそう。生の学生と触れ合って感じたのは、
「まず、エントリーシートがすごい! こんなにギッシリ自分の情報を書くのか、と驚愕しました」
もし今、自分が就活をしなければならなくなったら、どんな企業を選ぶ?
「この世界で10年やってきたので、やっぱりほかの仕事はあまり考えられないですね。今回、就活を初めて体験しましたが、僕は自己アピールが苦手。俳優になれてよかったな、と本当に思いました」
学生時代は○○に夢中!
自分の学生時代はどうだった?
「中学校までは勉強も一生懸命していたんですけど、高校に入ってからはブレイクダンスばっかりやっていました。学校が終わったら友達と駅に集まって、終電の時間まで練習して……。だから毎日すごく眠かったですよ(笑)」
今でこそ主演映画やドラマが絶えない健だが、デビュー当初は役を勝ち取るために、多くのオーディションを経験している。
「もちろん、就職の面接とイコールでは考えられないですけど、重なる部分はありました。苦手な自己アピールの時間は、それこそブレイクダンスをやっていたんじゃないかな。とりあえずクルクル回っておこう! と思って。でも、それで受かった記憶はないですけどね(笑)」
LINEでは可愛いスタンプも使う
俳優こそ“見られる”ことを意識する職業。いろんなことを言われると思うけど、他人からの評価は気にする?
「褒められて伸びる、けなされて燃える、といったタイプではないです。そういうものは自分のモチベーション次第だと思うし、感情論の話じゃないかなと。
それに、人って褒めるじゃないですか(笑)。褒めることはコミュニケーションのひとつでもあるから、真に受けたり一喜一憂はしないです。でも、自分が信頼している人からのアドバイスは真摯に受け止めるし、成長するために必要だなと思います」
劇中で多用されるツイッターだが、健自身はアカウントを持たない主義。唯一の発信の場となる『公式LINE』では、リアルタイムの写真を送ったり可愛いスタンプを使うことも♪
「文字の打ち方もスタンプも、プライベートそのまんまです。“佐藤”をあしらったキャラクターのスタンプをよく使うんですけど、よくある名字だからか“佐藤スタンプ”の種類が多いんです。人生で初めて、佐藤でよかったって思いました(笑)」