「毎日、同じものを食べたり飲んだりしていて。毎日撮影が終わって一緒のホテルに帰ってたんですよ。すごく近い距離感で(笑)」
映画『怒り』の完成報告会見でこのように語った綾野剛。住所不定の謎の男・直人を演じ、妻夫木聡が演じる大手通信会社に勤める優馬と恋に落ちる。
「男性同士で愛し合う──。そのために2人は、役作りを密にしたそうです。劇中では出会ってから、綾野さんが妻夫木さんの家に転がり込んで同棲生活をスタートさせています。役作りのために、2人も2週間の同棲生活を送ったそうですよ」(映画ライター)
『怒り』は東京、千葉、沖縄の3か所で話が進んでいき、2人は東京をメインにしたエピソードで共演している。舞台はゲイタウンとして名高い新宿二丁目だ。実際に新宿二丁目へも足を運んでいた。
「営業時間前のゲイバーや劇中で2人が出会った、男性の同性愛者が出会いを求めて出かける“ハッテン場”へ通い、役作りをしていたといいます」(前出・映画ライター)
まるでゲイのカップルそのもの
撮影でも使用されたつけめん店『GACHI』を運営する株式会社麺庄の代表取締役、庄野智治さんは、2人の役作りを目の当たりにしていた。
「1年ほど前だったと思います。スタッフの方が準備を整えている間に、すでに空気に入っているといいますか。お店の近くで妻夫木さんと綾野さんがキスをしたり、手をつないだりしていましたよ」
かなり役に入り込んでいたようで、人目を気にすることもなかったようだ。言葉少なに醸す空気は、まるでゲイのカップルそのものだったという。妻夫木から綾野へ、腕を撫でるようなボディタッチも見られたとか。
「普段、お店にいらっしゃるゲイの人たちと大差ありませんでした。毎日、ここで人を見ていると、“この人はゲイ、この人はゲイじゃない”というのが、見抜けるようになります。綾野さんと妻夫木さんの2人は、そうしたゲイっぽい仕草が備わっていましたね。仮に、2人が芸能人でなかったとして、店に来ても“ゲイのカップルかな?”と思います」(前出・庄野さん)
林遣都は二丁目でモテモテ
最近では、ほかの映画やドラマでもゲイの役が多く劇中に登場している。その役作りの一環として、新宿二丁目を訪れて役作りをする役者も少なくない。
「ベジタリアンのゲイ役を林遣都が演じた映画『にがくてあまい』ではゲイバーのマスター役で共演していたRIP SLYMEのSUとともに二丁目へ通っていたそうです。“観察してモノマネするだけでは失礼だから”と、上っ面だけにならないように熱心に話を聞いていたそう。林さんが、SUさんをさしおいてモテモテだったみたいですよ」(前出・映画ライター)
'97年に公開された映画『鬼火』でゲイバーのママを演じた北村一輝も役作りのために二丁目に通っていたという。
「来る日も来る日も新宿二丁目へ通っていたので、お金が底をついてしまった。そのため、通りに立って声をかけてもらうのを待ち、お店に連れていってもらっていたそう。そのかいあって、共演した故・原田芳雄さんは“ホンモノの子?”と尋ねるほどだったとか」(芸能プロ関係者)
安田顕も'14年公開の映画『小川町セレナーデ』で“偽オカマ”の役を演じ、二丁目の住人たちにお世話になった。教わったのはムダ毛の処理。
「ワキ、スネ、腕の毛を毎日剃るということに驚いていましたね。所作のひとつひとつにも二丁目通いが出ていたのか、違和感のない“おネエさん”だった。その後すぐ、'15年1月から放送されたフジテレビ系ドラマ『問題のあるレストラン』でもゲイのパティシエ役を演じていました」(前出・芸能プロ関係者)