上白石萌音 撮影/伊藤和幸

 大ヒットを更新中の映画『君の名は。』でヒロインの声を演じ、大注目の女優・上白石萌音。

「“満席で見れない”って、友達からたくさん苦情が来ました(笑)。何度も見てくださっている方も多いようで、私も2度、映画館に見に行きました!」

 そんな彼女が映画『溺れるナイフ』では、主人公に憧れる友人役でまだあどけなさの残る中学生から、あか抜けた高校生に成長するまでを演じ切る。

「中学生を演じるのに体重を増やし、そこから高校生を演じるため1週間弱で4キロ落としたんです。増やすのにずっと食べていましたが、気持ち悪くなってしまって。減らすより増やすほうがよっぽど難しいんだなって実感しました」

 自身は恋に溺れた経験はあるのだろうか。

「ありません。1度はしてみたいって思いますが、性格的にできるかどうか……(笑)。学生時代は自分が恋愛するより相談を受けることが多くて。片思いの友達の話を聞いて、そこまで人を好きになれるなんてうらやましいって思ってました」

 撮影中はこんなコラボレーションがあったそう!

「共演した菅田(将暉)さんが現場にギターを持ってきていて。“歌えるんでしょ? 明日セッションしよう”って誘っていただき、翌日、秦基博さんの『ひまわりの約束』を一緒に披露しました。過酷な撮影はそういうことで心を癒しつつ乗り切りました!」

「方言をしゃべらせたらこの子だよね」って言われたい

 今回の作品を含め、初主演映画『舞妓はレディ』や『君の名は。』など、方言を話す役が多いと上白石。

「これまで方言ばかりしゃべってきました(笑)。方言って演じるその子を理解するひとつの表現だとも思っていて、スピードやトーンも研究して役作りしています。『君の名は。』でもヒロインの三葉が話す飛騨の方言がヒントになりました。

 私は鹿児島出身ですが、田舎で生まれたからにはその心を忘れたくなくて、“方言をしゃべらせたらこの子だよね”って言われるようになりたいです」

 でも全然、鹿児島弁が出てこない! もう抜けた?

「今でも家では鹿児島弁です。“明日は何があるけぇ”とか“行くが、行くが〜”とか(笑)。家族と標準語だとなんだかずっとお芝居しているみたいでリラックスできないんです」

 少女のような笑顔が印象的な上白石。最後に、いま若手の女優さんが多く活躍しているけど“ここだけは負けたくない”というところがあれば教えてください。

「親近感です。“こんな子、いそう”みたいな、作品の中にそういう人が1人でも出てくると、見ている人が物語にもっともっと引き込まれると思うんです。“隣の家に住んでそうな人”そんなふうに身近に感じてもらえるような女優さんでありたいです」

<作品情報>
『溺れるナイフ』
10代の恋の衝動を描いた伝説的少女コミックが映画化! 田舎町に引っ越してきた人気モデルの夏芽(小松菜奈)。彼女は自由で傍若無人な神主一族の跡取り・コウ(菅田将暉)と恋に落ちる。友人のカナ(上白石萌音)は2人の恋を応援するが……。