川栄李奈 撮影/佐藤靖彦

「私、たぶん何も考えてないです。“これをやってください”と言われたら“わかりました”って(笑)。そういうことにあまり悩まないんですよ。この性格はずっと変わっていませんね」

 元AKB48のメンバーで、現在は女優として活動している川栄李奈。朝ドラ『とと姉ちゃん』では、序盤にヒロインたちが身を寄せた仕出し屋『森田屋』の主人・宗吉(ピエール瀧)の娘・富江を好演した。

「セットがすごかったですし、丁寧にリハーサルをしたりとか。よりよい作品にするためにはどうすればいいかと、みんなで話し合ったりして、自分の中ですごくいい経験でした」

『とと姉ちゃん』は打ち上げも盛り上がった?

「打ち上げのときは、ずっとハマケンさん(浜野謙太)としゃべっていました。夫婦ですから(笑)。

 唐沢(寿明)さんとはお芝居でお会いできなかったんですけど、ようやくお会いできました。そうしたら、“君は暗いからもっと明るくしなさい”と、言われてしまって(笑)。確かに人見知りで、明るいか暗いかと言われれば暗いかもしれませんけど……。最後に、“もうちょっと楽しく生きたらいいよ”とアドバイスをいただきました(笑)」

「自分のやりたいことをやっているから楽しい」

 AKB48を卒業したのは2015年の8月。舞台やいろいろなドラマに出演してきたけど、自分自身、変わったことはある?

「変わったことは特にないですけど、余裕を持って仕事に取り組めるようになったかも……。AKBでは、本当にスケジュールがツメツメで、前日まで何の仕事をするかわからないこともあったので(笑)。自分のやりたいことをやっているから楽しいですし」

 もう歌やダンスはやらない?

「もう未練はないです。いろんな歌番組にも出させていただきましたし。それで満足したというか……。AKBのときからドラマに出させていただいていたんですけど、それが本当に楽しくて。自分の中で歌やダンスよりも、お芝居の面白さがどんどん大きくなったんです。今はお芝居のお仕事を頑張りたいです」

 11月には、舞台『あずみ〜戦国編』での主演を控えている。1年前、舞台デビュー作で、女優として高い評価を得た『AZUMI〜幕末編』に続いて同じ役を演じる。

「前回とキャストも違いますし、内容も違うということもありますけど、1年前のことはあまり覚えていなくて(笑)。新鮮な気持ちで取り組めています。見どころは殺陣です。ただ人を斬るのではなく、“思い”を持ってあずみは刀を握るので、そういう感情がみなさんに伝わればいいな、と思っています」

<作品情報>
舞台『あずみ〜戦国編』
人々の心は荒れ、野は焼きただれた戦国の世。荒んだ世の中に、刺客として育てられた少女・あずみが姿を現したーー。
Zeppブルーシアター六本木にて、11月16〜27日。